中学数学で学ぶジャンルが相似です。図形の問題として、相似は頻繁に出されます。相似の問題では、証明問題や計算問題が存在します。

そのため「図形が相似になる条件」を学ばなければいけません。それだけでなく、相似の図形から辺の長さを導き出せるようにしましょう。このとき、比例式を利用します。

私たちの生活の中で、比例は頻繁に利用されます。そのため比例計算は重要であり、相似図形を用いた計算問題では、比例と同じように考えることで辺の長さを計算できるようになります。また、辺の長さから面積比や体積比を計算することもできます。

相似の図形を探し、それぞれの辺の長さの比を確認することで問題を解けるようになります。そこで図形同士の相似関係を理解するため、相似図形の特徴や相似条件、相似比について解説していきます。

合同と相似の違いは何か:相似の性質

中学数学では合同を学びます。合同と相似は違います。合同とは、完全に同じ図形を指します。一方で形は同じだが、大きさの異なる図形を相似といいます。

例えば、以下の図形は相似の関係にあります。

図形の形は同じです。ただ、大きさが異なります。辺の長さを拡大または縮小させた図形が相似だと理解しましょう。なお、相似の図形は以下の性質があります。

・対応する辺の長さの比は等しい

拡大または縮小させた図なので、相似の図形はそれぞれ辺の長さの比が同じです。例えば1つの辺の長さが2倍になっている場合、ほかのすべての辺も2倍になります。

図形が相似であり、辺の比が分かれば、他の辺の長さを計算できます。

・対応する角の大きさは等しい

辺の長さについては、相似の図形では前述の通りすべての比が等しいです。一方で角度については、すべての角度で同じです。例えば、以下のようになります。

角度が違うと、図形の形が変わってしまいます。そのため相似ではありません。相似の場合だと角度は必ず同じであり、違うのは辺の長さだけだと理解しましょう。

・相似で利用する記号

なお、相似では∽の記号を利用します。例えば、△ABC∽△EDFなどのように記します。この場合、△ABCと△EDFは相似であるという意味になります。

合同では≡の記号を利用します。同じように、相似でも特殊な記号を利用することを覚えておきましょう。

三角形が相似になる3つの条件

それでは、どのようなときに三角形が相似になるのでしょうか。三角形の相似条件は合計で3つあります。以下が三角形の相似条件です。

  • 3組の辺の比がそれぞれ等しい
  • 2組の辺の比とその間の角が等しい
  • 2組の角がそれぞれ等しい

それぞれの詳細は以下になります。

・3組の辺の比がそれぞれ等しい

3組の辺について、比がすべて等しい場合は相似です。

・2組の辺の比とその間の角が等しい

2つの辺について長さの比が等しく、かつ辺の間にある角度が同じ場合、2つの図形は相似です。

・2組の角がそれぞれ等しい

2つの角度が等しい場合、それぞれの図形は相似です。

なお図形の相似では、ほぼ「2つの角度が等しい」を利用します。「3組の辺の比がそれぞれ等しい」「2組の辺の比とその間の角が等しい」を利用して三角形の相似を証明しなければいけないケースは珍しいです。

そのため相似の問題では、最初に考えるべきは「2つの角度が同じ三角形はどれか」になります。2組の同じ角度を探すことで、相似の三角形を探すようにしましょう。その後、相似条件を利用して三角形が相似であることを証明するといいです。

相似比と辺の長さの関係

なお相似の図形で重要なのは、図形同士が相似であることを証明するだけではありません。相似であることを利用して、辺の長さを計算することも重要です。このときの計算で利用されるのが相似比です。相似比とは何でしょうか。

相似比とは、要は辺の長さの比と理解しましょう。相似の図形では、対応する辺の長さの比は同じです。例えば以下の場合、相似比は1:3です。

辺の長さの比が1:3の場合、2つの三角形の相似比は1:3になります。

・相似比は辺の長さだけでなく、高さも利用できる

相似比に応じて、辺の長さが変化します。同じことは辺の長さだけでなく、高さにもいえます。例えば相似比が1:3の場合、以下のように辺の長さがすべて3倍になるだけでなく、高さも3倍になります。

相似の図形では、あらゆる長さが相似比に関係しています。

比例式を用いて辺の長さを計算する

相似比を理解すれば、辺の長さを計算できます。計算方法は比例の式と同じです。例えば、以下の相似図形(△ABC∽△EDC)があるとき、aの長さはいくらでしょうか。

BCの長さは3cmであり、DCの長さは4cmです。そのため、相似比は3:4になると分かります。

この相似比を利用することで、aの長さを求めましょう。ABの長さは6cmです。そのため、相似比を利用すると、以下の比例式を作ることができます。

比例式の計算では、外側と内側の数字をそれぞれ掛けることで計算できます。先ほどの比例式であれば、以下のように計算できます。

比例式を作った後、外側と内側を掛けることで計算できる性質は必ず覚えるようにしましょう。相似に限らず、比例式の計算は数学の多くの場面で利用されます。

参考までに以下の比例式では、すべて外側と内側の掛け算の結果が同じ値になると分かります。

  • $1:3=3:9$
  • $2:5=6:15$
  • $4:3=6:\displaystyle\frac{9}{2}$

比率が同じ場合、外側と内側の掛け算の結果は必ず数字が一致します。この比例式の性質を利用することで、相似図形の辺の長さを計算できます。

面積比は2乗、体積比は3乗になる

辺の長さについては、このように相似比を利用することで計算できます。ただ相似図形の問題では、面積や体積の計算問題が出されることもあります。そこで、面積比や体積比がどのようになるのか理解しなければいけません。

面積比の場合、相似比の2乗になります。例えば相似比1:2の場合、面積比は1:4(22)です。また相似比1;3の場合、面積比は1:9(32)です。なぜ、相似比の2乗が面積比になるのでしょうか。

面積を計算するとき、三角形であれば以下の公式によって計算します。

  • 三角形の面積=たて×横×$\displaystyle\frac{1}{2}$

前述の通り、相似比が2倍や3倍になると、辺の長さは2倍や3倍になります。面積では、たてと横の長さを掛けることで計算します。これが、面積比が相似比の2乗になる理由です。

例えば相似比が1:2の場合、たてと横の長さはそれぞれ2倍になります。2倍になった辺を2つ掛けるため、面積比は4倍です。また相似比が1:3の場合、たてと横の長さはそれぞれ3倍になります。3倍になった辺を2つ掛けるため、面積比は9倍です。

一方で体積はどうでしょうか。体積の計算では、以下の式によって計算されます。

  • 体積=たて×横×高さ

相似の図形では、たての長さが2倍になっている場合、横や高さも2倍になります。そのため、相似比の3乗になります。

例えば相似比が1:2の場合、たてと横と高さの長さはそれぞれ2倍になります。2倍になった辺を3つ掛けるため、体積比は8倍(23倍)です。また相似比が1:3の場合、たてと横と高さの長さはそれぞれ3倍になります。3倍になった辺を3つ掛けるため、体積比は27倍(33倍)です。

練習問題:相似の証明と相似比の計算

Q1. 次の問題を解きましょう

AD//BCとなる台形ABCDがあります。ACとBDの交点をOとします。ADが3cm、BCが9cm、△OADの面積は12cm2です。

  1. △OAD∽△OCBを証明しましょう
  2. △OCBの面積を計算しましょう
  3. 台形ABCDの面積を計算しましょう

A1. 解答

(a)

  • △OADと△OCBにおいて
  • ∠AOD=∠COB:対頂角は等しい – ①
  • ∠OAD=∠OCB:平行線の錯角は等しい – ②
  • ①、②より、2組の角がそれぞれ等しいため、△OAD∽△OCB

(b)

AD=3cm、BC=9cmなので、相似比は1:3です。前述の通り、面積比は相似比の2乗です。つまり、面積比は1:9です。△OADの面積は12cm2なので、以下の比例式を作ることができます。

  • $1:9=12:x$

この比例式を解くと、以下のようになります。

  • $x=9×12=108$

そのため、△OCBの面積は108cm2です。

(c)

△OADと△OCBの面積は分かりました。一方で△OABと△ODCの面積はどのように計算すればいいのでしょうか。これらの面積が分かれば、すべての三角形を足すことで台形の面積を出すことができます。

△OABと△ODCの面積を出すとなると難しいように思えてしまいます。一方で△ABCと△DBCの面積であれば計算できます。△OADと△OCBの相似比は1:3なので、以下のように△ABCと△OCBの高さの比は4:3です。同じく、△DBCと△OCBの高さの比は4:3です。

三角形の底辺BCは共通です。違うのは高さだけです。また高さが大きくなれば、その比に応じて面積が大きくなります。そのため、高さの比を使うことで以下の比例式を作れます。

  • $4:3=x:108$

この比例式を解くと、以下のようになります。

  • $3x=4×108$
  • $x=144$

そのため、△ABCの面積は144cm2です。ここから△OCBの面積を引けば、△OABの面積を出せます。そのため、△OABの面積は36cm2です。

  • $△OAB=144-108=36$

なお、△ABCと△DBCは底辺と高さの長さが同じです。また、△OCBの面積を引くことで、面積を出せることも共通しています。そのため、△OABと△ODCの面積は同じです。

その後、すべての三角形の面積を足すと、台形の面積が192cm2と分かります。

  • $12+108+36+36=132$

相似の定理を利用して問題を解く

合同の証明に比べると、相似の証明は簡単です。2組の角度が等しいことを発見すれば、2つの三角形は相似です。

ただ相似の図形では、相似であることを証明して終わることはほとんどありません。そこからさらに、発展問題を解かなければいけません。相似比を利用することで、辺の長さを計算しなければいけないのです。

また辺の長さだけでなく、面積や体積を計算することもあります。その場合、相似比を利用して面積比や体積比を出さなければいけません。

相似の図形では、比を利用することで応用問題を解けるようになりましょう。そこで比例式の計算方法を復習し、面積や体積の計算まで行えるようにしましょう。