数学で重要な考え方として、比例と反比例があります。私たちの日常生活でも、比例や反比例などの言葉を使うことが頻繁にあります。それだけ比例と反比例は身近な存在であり、誰もが利用する概念です。多くの場面で比例や反比例の考え方が利用されるのです。

比例と反比例を学ぶとき、数字だけを眺めても理解することはできません。数学では、グラフを利用して比例と反比例を学ぶのが一般的です。そのため、比例と反比例を学ぶときは座標についても理解しなければいけません。

また比例と反比例では、プラスとマイナスがあります。プラスなのかマイナスなのかによって、グラフの形が変わります。

比例と反比例は一般常識でもあります。そこでグラフの座標を学び、比例と反比例の概念を理解するようにしましょう。

関数の定義は数字が決まるかどうか

数学のほとんどは代数式で表されます。つまり、アルファベットを使う式を利用します。文字を使う式では、関数という言葉が頻繁に利用されます。数学でグラフを学ぶとき、一次関数や二次関数という言葉を使うのです。

それでは、関数とは何なのでしょうか。関数の定義とは、以下のようになります。

  • $x$の値を決めることで、$y$の値が決まる

この条件を満たすとき、関数だといえます。例えば、以下の2つは関数でしょうか。

  • 身長$x$cmの人は体重$y$kgです
  • 時速$x$kmで3時間歩くと、歩いた距離は$y$kmです

身長と体重は人によって異なります。身長170cmの人であっても、体重50kgの人がいれば、体重70kgの人もいます。$x$の値を決めたとしても、$y$の値は決まりません。そのため、関数ではありません。

一方で歩いた距離を$y$kmとすると、時速$x$kmで3時間歩いたときは以下の式を作ることができます。

  • $y=3x$

$x$の値を決めることで、$y$の値が明確に決まります。これが関数です。関数かどうかは、特定の数字を決められるかどうかで判断します。

座標の概念:$x$軸や$y$軸、原点

関数の定義を学んだあと、比例と反比例を理解するためには、座標の概念を把握しなければいけません。グラフでは、平面で点の位置や線の形を表します。

グラフでは横の軸を$x$軸といいます。一方でたての軸を$y$軸といいます。また、$x$軸と$y$軸の交点(交わる点)を原点といいます。

数学でグラフを利用するとき、点を記します。グラフのどこに点があるのかを示すのが座標です。例えば、以下のグラフで点Pの座標は$(3,-2)$です。

$P(3,-2)$の座標の中でも、3を$x$座標、-2を$y$座標といいます。いずれにしても、グラフに存在する点を座標といいます。

比例の概念と比例定数

関数と座標について、定義と概念を理解した後は比例について学ぶことができます。比例とは、$x$の値が増えるに従って、$y$の数字も同じ割合で増える関数を指します。

例として、先ほどと同じ以下の場面を考えてみましょう。

  • 時速$x$kmで3時間歩くと、歩いた距離は$y$kmです

この関数は$y=3x$です。そのため$x$の値が1ずつ増えると、$y$は3ずつ増えます。また$x$の値が減ると、同じ割合で$y$の値も減ります。表にすると、以下のようになります。

このように、$x$の値が変わることで$y$は3ずつ増える(または減る)ようになります。これが比例です。今回の式では、$y=3x$なので3ずつ値が変わります。一方で例えば$y=5x$であれば、$x$の値が変わることで$y$の値は5ずつ変化します。

そのため比例の座標では、以下の公式を使います。

  • $y=ax$

$a$を比例定数といいます。$a$の値はそれぞれ異なります。先ほどの式であれば、時速$x$kmで3時間歩くため、$y=3x$となります。一方で時速$x$kmで4時間歩く場合、$y=4x$です。比例定数である$a$は問題文によって数字が変わります。

比例の直線グラフの書き方:$y=ax$の座標

それでは、関数と比例のグラフはどのような関係があるのでしょうか。先ほど、$y=3x$の表を例として記しました。

$x$の値が変化することで、$y$の値も変化します。このとき$x$と$y$の値は座標でもあります。つまり、以下のようになります。

そこで、これらの座標をグラフ上に打ってみましょう。また、それぞれの座標をつなぐと以下のようになります。

比例のグラフでは、必ず直線になります。また、直線は必ず原点を通ります。$y=ax$の公式から、グラフを作ることができます。

なお反対に、グラフから$y=ax$の式を出すこともできます。例えば、$x$が1つ増えるごとに$y$が2つ増えている場合、$y=2x$の式だと分かります。

比例定数$a$が正の数か負の数でグラフの形が異なる

比例の式を考えるとき、重要なことが他にあります。それは、比例定数$a$が正の数なのか、それとも負の数なのかです。

これまで、$a$が正の数と考えて比例のグラフを考えてきました。一方で$a$が負の数では、比例の直線グラフはどのようになるのでしょうか。考え方は先ほどと同じであり、$a$がマイナスのときのグラフを考えてみましょう。例えば、以下の式があるとします。

  • $y=-2x$

この場合、$x$が1つ増えるごとに$y$が-2増える比例となります。表は以下のようになります。

この表をグラフにすると、以下のようになります。

$a$が正の数だと、直線のグラフは右上がりになります。一方で$a$が負の数だと、直線のグラフは右下がりになります。$a$の値がプラスなのかマイナスなのかによって、グラフの形が変わります。

反比例の式と表、グラフの形

比例の関数を学んだあと、必ず勉強しなければいけないのが反比例です。比例に比べると、反比例は概念が少しだけ難しくなります。

$a$が正の数の場合、比例では$x$の値が増えるに従って、同じ割合で$y$の値も増えます。それに対して反比例では、$a$が正の数の場合、$x$の値が増えるに従って$y$の値が減ります。比例に対して、反対の様子になるのです。

$y=ax$が比例の公式なのに対して、反比例では以下の公式になります。

  • $y=\displaystyle\frac{a}{x}$

どのようなとき、反比例の関数になるのでしょうか。例えば、速さと時間を掛けると距離になります。時速$x$kmにて、$y$時間かけて6kmを歩く場合、以下の式が成り立ちます。

  • $x×y=6$
  • $y=\displaystyle\frac{6}{x}$

歩く距離6kmは決まっています。そのため時速$x$km(歩くスピード)を上げると、到着までにかかる時間($y$)の値は小さくなります。一方で時速$x$kmを下げると、到着までにかかる時間($y$)の値は大きくなります。一方の値が大きくなると、一方の値が小さくなる場合、反比例の関係にあります。

先ほどの反比例の式について表にすると以下のようになります。

$x$の値が2倍になると、$y$の値は$\displaystyle\frac{1}{2}$になります。また$x$の値が3倍になると、$y$の値は$\displaystyle\frac{1}{3}$になります。反比例の場合、比例とは逆になります。

この表について、グラフにすると以下のようになります。

比例のグラフは必ず直線です。一方で反比例のグラフは必ず曲線になります。反比例の曲線を双曲線といいます。比例と反比例では、グラフの形が大きく異なります。

プラスとマイナスで曲線グラフが異なる

比例では、比例定数である$a$がプラスなのかマイナスなのかによって、グラフの形が変わると説明しました。同じことは反比例のグラフでもいえます。

反比例のグラフについて、$a>0$のとき、どのような双曲線になるのか先に記しました。一方で$a<0$の場合、以下のような反比例のグラフになります。

$x$が2倍、3倍、4倍と数が増えるに従って、$y$の値が$\displaystyle\frac{1}{2}、\displaystyle\frac{1}{3}、\displaystyle\frac{1}{4}$となるのは同じです。ただ、比例定数が正の数なのか負の数なのかによって、グラフの形が異なることを理解しましょう。

練習問題:比例と反比例の文章題とグラフ

Q1. 次の計算をしましょう

40gの値段が10000円の金属を買います。

  1. 金属1g分の値段はいくらですか
  2. 支払う金額を$y$円、金属の重さを$x$gとするとき、$y$を$x$で表す式を作りましょう
  3. 金属26gの値段はいくらですか

A1. 解答

日常生活で比例は頻繁に利用されます。買い物をするとき、どれだけ購入すればいくらの金額になるのかの計算は比例です。この計算ができない場合、買い物で苦労するようになります。

(a)

金属1g分の値段が分からない数字なので、この数字を$a$とします。1gあたり$a$円の金属を40g買うとき、10000円になります。そのため計算式は以下になります。

$40×a=10000$

$40×a\textcolor{red}{×\displaystyle\frac{1}{40}}=10000\textcolor{red}{×\displaystyle\frac{1}{40}}$

$a=250$

(b)

金属1gの値段は250円です。支払う金額を$y$円、金属の重さを$x$gとするとき、以下の比例の計算式を作れます。

  • $y=250x$

(c)

比例の式を作ることができれば、$x$の値を代入することで$y$の値も出すことができます。金属26gを買う場合、以下の金額になります。

$y=250×26$

$y=6500$


Q2. 次の計算をしましょう

家から図書館まで距離が3000mあります。毎分$x$mの速さで歩き、到着まで$y$分かかります。

  1. $y$を$x$の式で表しましょう
  2. 毎分50mの速さで歩くと、到着まで何分かかりますか
  3. 30分で到着したい場合、毎分何mで走ればいいですか

A2. 解答

(a)

速さと時間を掛けると距離です。そのため、以下の反比例の式になります。

$x×y=3000$

$y=\displaystyle\frac{3000}{x}$

(b)

反比例の式に数字を代入すると、答えを出すことができます。

$y=\displaystyle\frac{3000}{50}$

$y=60$

(c)

関数の計算では、必ずしも$x$を代入するとは限りません。$y$に代入して答えを出すこともあります。$y=30$なので、以下のようになります。

$30=\displaystyle\frac{3000}{x}$

$30\textcolor{red}{×\displaystyle\frac{x}{30}}=\displaystyle\frac{3000}{x}\textcolor{red}{×\displaystyle\frac{x}{30}}$

$x=100$


Q3. 次の問いに答えましょう

  1. (1)の直線について、$y=ax$の比例定数を求めましょう
  2. (2)の双曲線について、$y=\displaystyle\frac{a}{x}$の比例定数を求めましょう
  3. Pの座標を求めましょう

A3. 解答

比例や反比例の問題では、文章題だけでなく、グラフを読み解けることも重要です。

(a)

比例のグラフでは、座標を$y=ax$に代入することで比例定数を出すことができます。直線のグラフには$(6,-3)$の座標があるため、これを代入しましょう。

$-3=6a$

$6a\textcolor{red}{×\displaystyle\frac{1}{6}}=-3\textcolor{red}{×\displaystyle\frac{1}{6}}$

$a=-\displaystyle\frac{1}{2}$

(b)

同じく、座標を代入することで比例定数を出すことができます。双曲線のグラフには$(-2,4)$の座標があるため、これを代入しましょう。

$4=\displaystyle\frac{a}{-2}$

$\displaystyle\frac{a}{-2}\textcolor{red}{×(-2)}=4\textcolor{red}{×(-2)}$

$a=-8$

(c)

点Pの$x$座標は1です。また、(b)の答えを使うことで点Pの$y$座標を計算できます。以下のようになります。

$y=-\displaystyle\frac{8}{x}$ ($x=1$を代入)

$y=-\displaystyle\frac{8}{1}$

$y=-8$

点Pの座標は$(1,-8)$です。

比例・反比例の式とグラフを学ぶ

中学数学の関数では、比例と反比例を学びます。比例と反比例の考え方は身近であり、買い物をするときなど多くの人が日常生活で使います。比例や反比例の計算ができないと、あらゆる日常生活の場面で困ることになります。そこで、比例と反比例の考え方を理解しましょう。

値が2倍になると、求めたい数も2倍になるのが比例です。一方で値が2倍になると、求めたい数が$\displaystyle\frac{1}{2}$になるのが反比例です。

また、比例と反比例ではグラフも同時に学びます。そこで座標の概念を理解し、グラフから比例や反比例の式を作れるようにしましょう。

問題文から、比例なのか反比例なのか区別しましょう。その後、比例定数を求めて計算することで答えを出せるようになります。