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茶道と茶碗:茶道具を知る

 

お茶を飲むためには道具が必要です。その際、茶道などで行われる抹茶を飲むためには、茶碗と茶筅(ちゃせん)があれば問題ありません。

 

抹茶は粉末状になっているため、茶碗に抹茶を入れた後にお湯を注ぎます。その後、お湯と抹茶をかき混ぜる必要があります。このときに使用する道具が茶筅です。

 

日常生活でお茶を楽しむ場合、茶道を行うときのように作法を気にする必要はありません。単にお茶を飲むことを楽しめば良いのです。

 

これらお茶で使われる道具の中でも、茶碗は最も人気があってその数も豊富です。抹茶を入れるのは茶碗であり、口を付けて飲むのも茶碗です。そのため、一番身近な存在であるともいえます。

 

 茶碗の種類
たとえ茶道を行わなかったとしても、茶碗はそれ単体だけで美術品としての価値があります。鑑賞できる品物であるため、日本では茶碗を持っている人は多いです。玄関や応接間などに飾り、部屋の美しさを引き立てるための道具として茶碗を活用するのです。

 

そもそも、茶道で行われる他の道具をみると、どれも取っ付きにくいです。例えば、茶道をしている人でない限り、日本人で茶筅をもっている人はいません。

 

茶入(ちゃいれ:抹茶を入れるための器)や茶杓(ちゃしゃく:抹茶をすくって茶碗に入れるための道具)も同様に、持っている人はほとんどいません。

 

一方、茶碗は日本でご飯を入れるための道具として広く活用されています。茶碗に「茶」という文字があることから分かる通り、もともとはお茶を飲むための道具だったのです。茶碗は日常生活の中で広く活用され、生活に馴染んだ道具であるといえます。

 

 

 

そして、このような茶道具としての茶碗は、以下のように大きく3つに分けられます。

 

 ・唐物茶碗(からものちゃわん)
 ・高麗茶碗(こうらいちゃわん)
 ・和物茶碗(わものちゃわん)

 

中国製の茶碗を唐物茶碗といいます。初期の茶道は中国から輸入していた高価な茶碗を使っていたため、唐物茶碗が主流でした。特に、室町時代(1336~1573年)では、茶碗と言えば「青磁の唐物茶碗」であったといいます。

 

それに対して、高麗茶碗は朝鮮製の茶碗です。朝鮮王朝時代(1392~1910年)に高麗茶碗が多く制作されました。

 

そして、日本製の茶碗が和物茶碗です。日本では美濃焼や信楽焼、萩焼など、独自の焼き物が発展しています。これらの陶器には日常生活で使われる道具(皿や壺など)なども含まれていますが、お茶を飲むための道具としても活用されているのです。

 

茶碗の中には、高価な製品が存在します。ただ、茶道での茶碗はあくまでも脇役であり、「お茶をおいしく飲むこと」が本来の目的であることを忘れてはいけません。

 

茶道では、「茶碗の鑑賞を行う」ことも作法の一つではあるのは確かです。しかし、お茶がメインにならず、茶会が珍しい道具の品評会になってはいけません。

 

 お茶のための道具
豪華さを排除し、質素な精神を重んじるのが茶道です。このような茶道を「侘び茶」といい、現在のような茶道を完成させた人物に千利休(せんのりきゅう:1522~1591年)がいます。

 

利休が侘び茶を行う前は、道具に偏った茶道でした。つまり、高価な製品の鑑賞会という意味合いが強かったのです。このようなお茶に仏教の考え方を取り入れ、茶道を「コミュニケーションの場」へと昇格させたのが利休だったのです。

 

利休の活躍によって、日本製の茶碗が広く用いられるようになりました。さらに、お茶をするのに適した茶碗が開発されるなど、高価な道具がメインであった茶道から脱却していきます。

 

こうして、道具よりも「人と人の交わりを大切にする」「相手を心から招待する」などに重きを置いた、日本の伝統文化としての茶道が出来あがっていくようになります。


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