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茶道から学ぶ「満足」の基本

 

貴重な陶器や掛け軸をもっていたとすれば、あなたはどのような行動に出るでしょうか。多分、家の目立つところに飾って他の人に自慢したくなるのではないでしょうか。

 

ただ、あなたの話を聞いて客人はある程度の興味をもってくれるものの、印象に残らずその場限りで終わってしまいます。しかし、これが茶道という場であれば、相手を感動させるようになります。この違いについて、理解していきます。

 

 茶道の作法に従って披露する
茶道にはルールがあります。そのため、ある一定の作法を守りながら行わなければいけません。ルールのために面倒に思うかもしれませんが、「スポーツで反則をしてはいけない」「受験でカンニングをしてはいけない」などの決まりがあるのと同じように、ルールがないと無秩序な状態になってしまいます。

 

そして、ルールがあるからこそ、茶道では招いた人を感動させるための場ができあがります。

 

前述の通り、名品と呼ばれる茶道具をもっていたとしても、それを単に見せるだけでは記憶に残りません。しかし、お茶の席で何も言われずに目の前に高名な陶器が出てくればどうでしょうか。また、名の知れた掛け軸がかかっていたり、素晴らしい料理が出てきたりすればどうでしょうか。

 

それを見たあなたは、深く感動するはずです。普通の感覚をもつ人であれば、自分のために大事にしている道具を見せてくれたことに感謝するのです。これは、茶道の魔法であるといえます。

 

これは、スポーツでも同じです。サッカーをするにしても、「これだけ素早いドリブルができる」「弾丸シュートを打つことができる」と技を披露したところで、あまり響くものはありません。

 

しかし、その技を試合中に出すことができればどうでしょうか。ドリブルで華麗に相手を抜き去り、ゴールを決めれば、特別何かを見せびらかせようとは思わなくても観客は勝手に感動してくれます。思いもよらないプレーをして活躍するほど、見ている方は満足するのです。

 

単なる自慢であっても、見せ方や場面によって相手の捉え方は大きく異なります。これと同じように、茶道という場であれば高級な陶器や掛け軸、入れ物などが急に見栄えの良いものへと早変わりします。

 

 日常生活でお客様を満足させる
茶道には、細かい決まりごとがあります。お茶をたてて飲むことが茶道の基本ですが、それを行うためには「茶道具を運び、お湯をわかし、抹茶を客へ出す」ための動作が必要です。これら一連の動作を茶道の言葉で点前(てまえ)といいます。

 

点前を行えるようになるためには、稽古を積まなければいけません。これが、茶道のルールを覚えることに繋がります。

 

スポーツであれば、ルールを覚えていなければみんなで楽しめません。サッカーでハンドを連発したり、バスケットボールでドリブルなしに何歩も歩いていれば一気に興ざめしてしまいます。ルールというのは、全員がその場を共有するための共通言語でもあります。

 

これと同じように、茶道でも点前などの作法が必要になります。ただ、それができるからこそ客と時間を共有でき、場合によっては感動させられることを忘れてはいけません。

 

日常生活であっても、このような茶道の考えは応用できます。例えば、会社や学校にはルールがあり、部活動や家庭内などでもある程度の決まりごとがあるはずです。

 

これらのルールの中で、見返りを期待せずに相手が喜ぶことを行ってみてください。相手は上司でも家族でも誰でもいいです。もちろん、それらを行ったことを、決して相手に伝えてはいけません。これによって相手に満足感を与えることが、茶道を基本とする日本式の接し方なのです。


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