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茶道から学ぶ懐石料理と日本酒

 

日本で懐石料理といえば、ものすごく豪華な日本料理のことを指します。その土地で取れた海の魚や山の作物を使い、美しい器に料理を盛るのです。高級な日本式の店に行って、ある程度のお金を払えば懐石料理を味わうことができます。

 

ただ、懐石料理はもともと茶道の言葉です。そして、今のように華やかな料理ではなく、ちょっとした料理であるのが本来の懐石料理です。茶道では豪華さを避けることから分かる通り、元々の懐石料理は質素なものでした。

 

そして、茶道では懐石料理にお酒(日本酒)を組み合わせます。ここでは、茶道での懐石料理と日本酒について解説していきます。

 

   

 

 濃茶(こいちゃ)を飲むための懐石料理
普段、日本人が飲む抹茶というのは、サラサラしていて飲みやすいです。これを、薄茶(うすちゃ)といいます。薄茶では、ほど良い苦さと甘さを味わうことができます。

 

ただ、茶道では粉末状の抹茶をたくさん入れることで濃くした「濃茶(こいちゃ)」というものを最後に飲みます。サラサラしている薄茶に対して、濃茶ではドロリとしています。それだけ、濃度があるのです。そのため、いわゆる飲み物という感じではありません。

 

それだけ濃いお茶を飲むため、その状態のままでは胃への刺激が強いです。そこで、あらかじめ軽い食事をとっておくことで、濃茶を飲んだときの刺激を和らげるのです。

 

このような理由で出される食事が懐石料理です。「白いご飯+2品のおかず」を基本として、懐石料理ではそこに煮物を加えることがあります。前述の通り、家庭で出されるような質素な食事が懐石料理なのです。

 

ただ、実際はかなりの数の料理が出され、お腹いっぱいになります。茶道ではお客様を喜ばせることが基本ですが、それが過剰になって現在のような懐石料理になっているのです。

 

濃茶を飲むことがメインであるにも関わらず、料理に夢中になっていることは多いです。その結果、最も盛り上がるべき場面で「お茶はもういらない」と思うことはしばしばあります。そのため、懐石料理のもつ本来の意味を知っておき、どういう風に料理を出すべきかを考えることは重要です。

 

 懐石料理ではお酒(日本酒)が出る
茶道では、静粛の中で茶会が進行していきます。また、華やかさを排除することで独自の世界観を生み出します。前述の通り、懐石料理も本来は質素です。

 

ただ、意外かもしれませんが、懐石料理ではお酒(日本酒)が出ます。白身魚などの酒に合う料理が出され、これと共に日本酒を飲むのです。

 

もちろん、茶会は単なる宴会ではありません。そのため、ご飯から手を付けるなど、食べる順番などもある程度は決められています。ただ、茶席では懐石料理と共にお酒を飲み、会話を楽しめる場でもあるのです。

 

このような懐石料理やお酒が出された後であれば、濃く練られた濃茶の味が引き立てられます。空腹では刺激が強すぎる濃茶であっても、お腹が整えられた後であれば味わい深いものになるのです。

 

茶道では、すべての物事がスムーズに運ぶために合理的に計算されています。懐石料理やお酒が出るのも、すべては「濃茶を美味しくいただく」ことに繋がっています。そのための先人たちの知恵が茶道には詰まっているのです。

 

茶会を盛り上げるため、懐石料理や日本酒は大きな要素の一つです。コミュニケーションを円滑にするため、昔の人は料理やお酒の重要性にも気づいていたのです。


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