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着物を着なくても茶道はできる

 

「伝統文化」という言葉からか、茶道というと着物を着た上で決まった作法に従って行わないといけないと多くの人が考えています。

 

しかし、実際には着物なしに茶道の稽古をするのは一般的ですし、いわゆる茶人といわれている人も洋服を着る機会の方が多いです。

 

格式の高い茶会だけが茶道ではありません。もっと一般的な、リラックスした状態で行える茶道も広く行われています。

 

 現代と過去では生活様式が異なる
当然ですが、時代の流れと共に生活様式は変化していきます。今の時代に日本を歩いても、着物を着ている人はみかけません。ほとんどの人が洋服を着て歩いています。

 

ただ、何百年も前の日本では、全員が着物を着ていました。普段着が着物であるため、それを身に付けることは珍しいものではなく、むしろ日常生活の一部でした。

 

また、当時は家に行けば多くの家庭に床の間がありました。和風住宅で畳を敷いている部屋にある、小さな一段高いスペースが床の間です。ここに花を生けたり、掛け軸を飾ったりしていたのです。もちろん、このときの花や掛け軸は季節ごとに取り替えます。

 

 

 

茶道では、正式な茶会で着物を着ます。また、茶室には季節に合った掛け軸をかけて花を生けます。

 

現代で考えると、こうした作法を覚えるのは面倒のように思えます。しかし当時日本に住んでいれば、これらは全員が当たり前のように行っていた作法なのです。当たり前の日常の中で、お茶を楽しむのが茶道であるといえます。

 

 現代スタイルの茶道
しかし日本では、特に第二次世界大戦以降に欧米スタイルの生活様式へと急速に変わっていきました。今では洋風住宅が当たり前ですし、床の間のない家は多いです。和服を着る人はほぼいません。

 

そのため、「伝統」という言葉に縛られるのではなく、茶道の形式もある程度は柔軟に考えなければいけません。

 

そこで今では、茶道であってもイスに座りながら行う「立礼(りゅうれい)」という作法があります。かつての日本では畳に座るのが一般的であったため、茶道もイスを使わないのが普通です。ただ、過去の常識が破られ、今ではイスに座る茶道が頻繁に行われています。

 

もちろん、必ずしも着物を着る必要もありません。格式高い茶会に出席する場合は着物を着ればいいですが、前述の通り、稽古や仲間だけで行う茶会では着物を着ないケースが多いです。

 

このように、伝統というのはただ守っていれば良いわけではありません。過去の人が生活に馴染んだスタイルで行っていたのと同じように、茶道も現代に合わせた方式を取り入れることが大切です。

 

ただ、ルールなしに行っても良いという意味ではありません。スポーツでも、一定のルールの中で行うからこそ楽しくプレーができます。これが何でもありの反則だらけであれば、スポーツとして成り立ちません。

 

これは、茶道でも同じです。古いものの中でも、根幹となる原理原則は大事にする必要があります。例えば、「お客様を大切にする」「礼儀を重んじる」などは、最も基本となる事柄です。これがなければ、友達同士で行うような遠慮のない食事会になってしまいます。

 

これらの基本をおさえた上で、現代の生活様式を取り入れていくのです。先に挙げた、「イスに座って茶道を行う」ことはその一例です。休憩時間にお茶を飲むのも、簡単な茶道であるといえます。

 

茶道ということで身構えるのではありません。本来は、もっと身近に茶道があります。ヨーロッパで日常的にコーヒーや紅茶が飲まれているのと同じように、気楽に抹茶を飲んで茶道に親しむのも良いのではないでしょうか。


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