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焼酎を造る:仕込み

 

焼酎を製造するとき、原料を混ぜ合わせて発酵させていく必要があります。発酵によって、アルコールを生成させるのです。この過程を仕込みといいます。

 

仕込みでは、麹(こうじ)、主原料(芋、麦、米など)、酵母、水を混ぜます。麹はデンプンを糖に変える微生物を生やした原料であり、酵母は糖をアルコールに変える微生物です。

 

 酵母による発酵
酵母は糖をアルコールと炭酸に分解する働きがあります。これを、アルコール発酵といいます。ただ、焼酎の原料として用いられる芋や麦、米には糖がほとんど含まれておらず、その多くはデンプンです。そこで、デンプンを糖に変換するために麹が必要とされます。

 

現在、焼酎造りでは二回に分けて仕込みを行う「二次仕込み法」が広く採用されています。この方式では、最初に酵母を増やす目的で「麹、酵母、水」の3つを入れます。

 

かき混ぜながら発酵させ、5〜8日で一次仕込みが終わります。「麹、酵母、水」を混ぜたものを醪(もろみ)と呼びます。一次仕込みのもろみは、一次もろみといいます。麹菌によって「デンプン → 糖」への変換が行われ、糖を供給された酵母はもろみの中で増殖していきます。

 

このときの麹はデンプンを糖へ変換するだけでなく、大量のクエン酸を生成します。クエン酸は雑菌の増殖を抑えるため、これによって酵母を雑菌から守ることができます。

 

その後、今度は一次もろみに主原料(芋、麦、米など)を入れていきます。いも焼酎を造りたい場合は芋を入れ、麦焼酎を造りたい場合は麦を投入します。

 

主原料を加える段階を二次仕込みといいます。大量の酵母を有する一次もろみに主原料と水を加え、撹拌・発酵させるのです。主原料は多くのデンプンを含むため、麹菌と酵母はさらに活動するようになります。こうして、二次もろみを得ます。

 

なお、沖縄の焼酎である「泡盛」を造る場合、「麹、主原料、酵母、水」を一度で仕込みます。つまり、一次仕込みや二次仕込みという2段階の過程ではなく、すべてを1段階で行います。これを、全麹仕込み(ぜんこうじしこみ)といいます。

 

 焼酎酵母の条件
ワインやビール、日本酒などには、それぞれ適した酵母が存在します。それらは、ワイン酵母やビール酵母などと呼ばれています。

 

焼酎も同様であり、焼酎酵母が存在します。つまり、どのような酵母でも良いのではなく、焼酎に適した酵母でなければいけません。つまり、焼酎酵母が存在するのです。

 

前述の通り、麹は大量のクエン酸を生成することにより、雑菌の増殖を抑えてくれます。クエン酸はレモンの酸っぱさの元であり、焼酎酵母はレモンと同程度の酸性条件下でも活発に活動できなければいけません。

 

また、酵母がアルコールを生成すると、それだけアルコール濃度が高くなっていきます。そのため、単にアルコールの産生能力に優れているだけでなく、高アルコール濃度の中でも発酵が続かなければいけません。

 

通常、アルコール濃度が高いと微生物は死滅します。しかし、その環境でも生き残る酵母が求められます。

 

また、濃い糖分に耐えられることも条件です。麹菌によってデンプンが分解され、もろみの中は糖濃度が高くなっていきます。こうしたことも、微生物が繁殖しにくい環境の一つです。それでも酵母は、問題なく生存していく必要があります。

 

こうした条件のクリアしたものが、焼酎酵母として活用されます。同じ酵母といっても、ワインやビール、日本酒など、それぞれ適した酵母があります。焼酎でも同じように、適切な酵母が選択されて酒造りに活かされています。


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