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伊豆諸島の焼酎

 

東京の南には、伊豆諸島と呼ばれる島々が点在しています。伊豆諸島は焼酎の名産地の一つです。伊豆諸島の行政区画は東京であるため、実は東京にも焼酎造りで盛んな地域があるといえます。

 

このように本土から離れた場所で焼酎が盛んに造られるようになったのは、かつての歴史があります。その歴史は江戸時代(1603〜1868年)までさかのぼります。

 

 

 

 罪人から広まった焼酎
江戸時代では、伊豆諸島は罪人の流刑地として知られていました。その中でも、武家や僧侶など身分の高い人が伊豆諸島へ流されることが多くありました。

 

19世紀の半ば、江戸時代末期には鹿児島の商人である丹宗庄右衛門(たんそう しょうえもん)が八丈島へ流罪となります。その彼が焼酎造りの技法を伝えました。

 

伊豆諸島は温暖な気候であり、以前からさつまいもの生産が行われていました。鹿児島ではさつまいもを用いたいも焼酎が主に造られていたことから、同じように伊豆諸島のさつまいもを用いていも焼酎の製造を行ったのです。

 

当時、税金として米が納められていたほどであり、米は貴重な作物でした。そのため、焼酎造りの麹(こうじ:デンプンを糖に変換する原料)は米麹でなく、麦麹を使用することにしました。

 

鹿児島県のいも焼酎では、米麹を活用します。ただ、伊豆諸島では麦を原料として麹を作成することが大きな特徴の一つになっています。

 

このようにいも焼酎の歴史からスタートした伊豆諸島ですが、現在では芋焼酎、麦焼酎、米焼酎と3種類の焼酎が造られています。焼酎の性格は島によって異なり、使用する原料だけでなく、アルコール度数や熟成の程度など、それぞれ違っています。

 

伊豆諸島の焼酎が市場に出回ることは少なく、多くは島民で消費していました。ただ、現在は伊豆諸島が焼酎の名産地であると日本でも知られています。島によって異なる焼酎を味わってみるのも楽しみの一つです。

 

 伝説の焼酎
伊豆諸島には青酎(あおちゅう)と呼ばれる伝説の焼酎があります。青酎は八丈島から南へ約70kmのところにある青ヶ島で造られています。人口が200人程度という小さな島です。

 

この島で青酎が造られていますが、もともとは島民向けのいも焼酎であったため少量しか生産されません。また、この島へ発着する便に乗せなければ商品が流通しないため、買うことすら困難です。そのため、かなり高額な値段になります。

 

島には酒造りを行う農家が数件あり、それぞれ麹の種類や製法が異なります。ただ、島にある蒸留器は全員で共用して使います。こうして青ヶ島で造られた焼酎は、どれも青酎という名前で売られます。

 

なお、伊豆諸島以外にも沖縄などで造られる泡盛の中にも幻の焼酎が存在します。伊豆諸島も沖縄も広い海に島が点在しているため、小さい島で少量だけ造られる焼酎はそもそも買えないケースが多く、プレミアが付きやすいです。こうした焼酎に出会ったときは、チャンスと思って味わいながら飲んでみましょう。


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