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甲類・乙類から学ぶ本格焼酎:連続式蒸留と単式蒸留

 

焼酎には、いくつかの種類があります。その中でも、最も大きな分け方としては連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎(本格焼酎)があります。

 

連続式蒸留は「甲類」、単式蒸留は「乙類」と呼ばれることもあります。また、単式蒸留の焼酎は「本格焼酎」とも表現されます。それでは、このような名称はどのようにして付けられたのでしょうか。

 

 単式と連続式
もともと、日本で作られていた焼酎はすべて単式蒸留によるものでした。単式蒸留は昔ながらの蒸留法による焼酎の製造方法だといえます。蒸留を一度だけ行うため、アルコールの精製度は低いです。ただ、その分だけ風味や香りを残すことができます。

 

これが1910年になると、イギリス由来の連続式蒸留による焼酎が開発・商品化されるようになりました。

 

単式蒸留のように一回だけの蒸留では、水とアルコールを完全に分けることができずに不純物が混じります。そこで、何度も蒸留を行うことで純粋なアルコールに近づけるのです。連続式蒸留に一回かけるとかなり濃いアルコール(96%程度)になってしまうため、無味無臭の液体になります。

 

連続蒸留はウイスキーのために開発されたものであり、同じ蒸留酒である焼酎にも応用しようと考えたのです。

 

 甲類と乙類
焼酎がお酒である以上は、酒税がかかります。つまり、政府にとっては大きな収入源の一つであるといえます。そのため、政府は税収の多い酒を優遇していました。

 

単式と連続式を比べると、連続式蒸留の方が大量生産を行うことができます。そのため、税収に有利であるといえます。そこで、連続式蒸留焼酎を「甲類」、単式蒸留焼酎を「乙類」と呼ぶようにしました。

 

日本では、「甲」や「乙」は階級やランク付けなどで活用されます。「甲」の方が優先順位が高く、階級は上です。その下に「乙」があり、甲よりも劣るという意味があります。

 

ただ、焼酎での乙類は単に昔ながらの手法で作っているため、大量生産が難しいというだけです。決して、甲類(連続蒸留式焼酎)に味で劣っているわけではありません。

 

そこで、このような誤解を避けるために甲類や乙類という区分を避けるようになりました。現在では、「昔から行われている本来の方式」という意味をもつ「本格」という文字を活用し、乙類(単式蒸留焼酎)のことを本格焼酎と表現しています。

 

 焼酎とは何を指すのか
日本では、酎ハイ(チューハイ)と呼ばれるお酒が広く飲まれています。酎ハイの「酎」というのは、焼酎から名前がきています。連続式蒸留焼酎で作られた焼酎を炭酸水で割ってレモンなどの果実で味付けすると、酎ハイが完成されます。

 

炭酸水などで割り、レモンを加えたお酒をハイボールといいます。酎ハイは「焼酎ハイボール」の略でもあります。

 

それに対して、いわゆる焼酎というのは、日本では「本格焼酎(乙類:単式蒸留焼酎)」のことを指します。原料の風味や香りを残した本格焼酎は、現在では多くの人に親しまれています。

 

なお、単式蒸留焼酎と連続式蒸留焼酎を混ぜたお酒も存在します。この場合、単式蒸留に対してアルコールの添加を行ったと判断されるため、本格焼酎と名乗ることはできません。

 

本格焼酎には、きちんとした基準があります。本格焼酎をいうためには、単式蒸留した焼酎に加えてもいいのは水だけです。砂糖やアルコールなどを加えた時点で「本格焼酎」ではなく、単なる焼酎になるのです。


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