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杜氏(とうじ)が日本酒の味を決める

 

日本酒の味を左右する重要人物として、杜氏(とうじ)がいます。杜氏とは、酒造りの現場を任されている最高責任者のことを指します。必ずしも、蔵の管理人が杜氏とは限りません。

 

いわゆる、杜氏は工場長のようなものです。蔵の管理人が社長ですが、一般企業では社長が現場を管理するわけではありません。工場長としての役割を担う杜氏が仕切るからこそ、その下で働く蔵人たちが動けるようになるのです。

 

 かつての杜氏の役割
古くから行われている酒造りでは、杜氏は晩秋から春先まで働く期間限定の仕事です。これは、酒造りがまさにこの時期に行われるからです。

 

その他の夏などのときでは、杜氏や蔵人たちは故郷で農業や漁業を行います。しかし、冬が近づいてくると農業はできなくなります。そこで、酒造りのために出稼ぎにいっていたのです。つまり、杜氏は「農民や漁師としての顔」と「優秀な酒造りとしての顔」の2つをもっていたのです。

 

このような杜氏たちが暮らす村は杜氏の里といわれ、そこに住む人たちは代々にわたって酒造りの技術を磨いてきました。

 

毎年、冬が近づくと杜氏はスタッフである蔵人を引き連れて蔵に泊まり込みで働きます。そうして酒造りが終わると、再び故郷に戻るという生活を送っていたのです。

 

 現在の杜氏の姿
ただ、これらは過去の話であり、現在では杜氏の形も大きく変わっています。一般企業と同じように、ずっと雇用し続けられている社員杜氏がいれば、蔵元(社長)が杜氏を兼任している場合も多いです。

 

元々、杜氏の制度は稲作に合わせた文化です。稲の苗は春から育てた後、秋には刈り取ります。そのため冬の間が暇になります。そういう意味では、酒造りは出稼ぎにピッタリだったのです。それが現在のよう文化が多様化すると、当然のように杜氏の里も無くなっていきます。

 

そこで、先に挙げたように杜氏を雇用したり、蔵元が杜氏をしたりするようになったのです。

 

下働きから始める必要があったため、杜氏になるのは60歳を過ぎた人がほとんどでした。それが現在では様子が変わったため、家業を継ぐことで数年勤めて20代、30代で杜氏になることもあります。

 

もちろん、蔵元杜氏は経営者でもあるため、単に日本酒造りを行えば良いわけではありません。原料調達から値段交渉、販路拡大なども含めて面倒をみる必要があります。

 

 杜氏の判断が酒の味を左右する
酒造りでは、実際に造る人が重要な要素を占めるといいます。特に、杜氏は重要です。杜氏は最高責任者であるため、各判断を任されるからです。

 

現在では、酒造りの多くを機械で管理できるようになったとはいえ、杜氏による長年の経験による判断が日本酒造りでは重要なのです。

 

なお、蔵人たちはその役割によって名称が異なります。主に、次のような呼び方があります。

 

  ・杜氏(とうじ)
 酒造りの責任者

 

  ・麹師(こうじし)
 麹造りの責任者

 

  ・道具廻し(どうぐまわし)
 酒造りに必要な道具の管理を行う人

 ・頭(かしら)
杜氏の補佐役

 

 ・酛廻り(もとまわり)
酒母造りの責任者

 

 ・釜屋(かまや)
蒸し米の作業を仕切る人


 

その他、助手を行ったり食事・風呂焚きなどの雑用を行う人もいます。これらの人が一緒になって働くことで、ようやく日本酒ができるのです。


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