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原酒、生酒、生貯蔵酒、生詰め酒:特殊な日本酒

 

日本酒には、原酒生酒(なまざけ)と呼ばれるものがあります。純米吟醸原酒や大吟醸生酒などの文字を見たことがあるかもしれません。これらの日本酒は、一般的な日本酒とはちょっと異なります。

 

もちろん、原酒と生酒はそれぞれ特徴が違います。両方とも搾りたてのお酒であることには変わりませんが、最後の工程に違いがあります。

 

 原酒とは
醸造酒の中でも、日本酒はかなりアルコールが多く含まれています。実際、搾りたての日本酒というのは、アルコール度数が20%前後です。ただ、通常は水を加えてアルコール度数を15%程度に調節します。これを、割水といいます。

 

しかし、中には水を加えない場合もあります。このように、割水をせずに出荷されるお酒を原酒といいます。

 

水を入れていないため、原酒ではアルコール度数が高くなります。そのため、一気に飲むのではなく、味わいながら酒を楽しむ必要があります。なお、「無加水」という言葉は原酒であることと同じ意味です。高アルコールによる力強い味わいが原酒の特徴です。

 

 生酒とは
日本酒造りでは、麹(こうじ:デンプンを糖に変換するために微生物を繁殖させたもの)や酵母などの菌によって発酵させます。そのため、原酒を搾った後にそれぞれの菌や酵素の働きによって、時間が経つごとに酒の品質が変わってしまいます。

 

これを防ぐために、これら微生物や酵素の働きをなくす目的で加熱処理を行います。つまり、殺菌を行うということです。日本酒の品質を保つために、加熱は必要な工程なのです。

 

ただ、加熱処理を行わずに出荷することがあります。このようなお酒を生酒といいます。生酒を保存するときは、冷蔵でなければいけません。室温などで放置していると、お酒の中に含まれている酵素などの働きにより、品質が悪くなってしまうからです。

 

日本酒を保存するとき、比較的温度が低く、日光が当たらない場所が適切であるとされています。その中でも、生酒は特に保存に注意しなければいけません。

 

生酒では、酵素や酵母と共にフレッシュな味わいを楽しめることが特徴です。劣化しないように注意できるのであれば、生酒を味わってみるのも良いでしょう。

 

 「生貯」「生詰め」とは
生酒に似た言葉として、「生貯(なまちょ)」や「生詰め(なまづめ)」があります。ただ、これらは生酒とは異なります。

 

通常、日本酒の加熱処理は2回行われます。最初の加熱処理を行っていないお酒が生貯です。これは、生貯蔵酒という名前でも知られています。それに対して、2回目の加熱処理を行っていないお酒を生詰めといいます。これは、生詰め酒という名前で販売されています。

 

これらを踏まえた上で、両方とも加熱処理を行っていない日本酒が生酒です。生貯蔵酒や生詰め酒と区別するため、生酒は「本生」や「生生」と呼ばれることもあります。

 

「生」という言葉がついているからといっても、生貯や生詰めは生酒と同じではないことを認識しなければいけません。

 

なお、フレッシュな味わいがあるからといって、必ずしも生酒がいいわけではありません。加熱処理を行った一般的な日本酒であっても、存分に料理の味を引き立てることができます。

 

「保存や流通に手間がかかるから」「あまり数がなくて貴重だから」などのブランド志向で酒を選んではいけません。日本酒には、それぞれの良さがあります。

 

なお、現在では水を加えず、加熱処理も行わない「生原酒」というのも存在します。原酒と生酒の両方を足し合わせることにより、さらなる深い味わいを楽しむことができます。


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