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酒蔵の建物が違えば、日本酒の味も変わる

 

日本酒造りはとても繊細であるといえます。建物が少し変わるだけで、その味は大きく変化してしまうほどです。

 

酒蔵の中には、昔から建てられている建物をそのまま使用することにこだわっていることがあります。これは、建物が変わると酒の味や品質に影響してしまうからです。

 

酒蔵に昔ながらの建物が多いのは、ここに理由があります。

 

酒造りはバイオテクノロジーである
日本酒は微生物の力を使って造られます。日本酒の元となる米には、糖がありません。そのため、米に含まれるデンプンを糖へと変換しなければいけません。これには、麹菌(こうじきん)が使用されます。

 

デンプンを糖化した後、今度は糖をアルコールへと発酵させます。この過程に重要な微生物が酵母です。

 

これら麹菌や酵母、さらには乳酸菌などの微生物は蔵に住み着いています。中には、酒造りが行われていくうちに微生物が突然変異を起こし、それが蔵特有の味を生み出すことに繋がっていることもあります。

 

そのため、蔵が古くなったという理由で建て替えを行ってしまうと、同じ味の日本酒を造り出すのが困難になってしまいます。

 

もちろん、「雨が降ったときに、屋根から雨漏りがする」「老朽化によって今にも倒壊しそう」などの場合は補修を行います。しかし、酒蔵の大幅な改築をしないのは、昔から続く伝統の味を守っているという理由があるのです。

 

災害が起こると日本酒の味が変わる
日本は自然災害が多い国であるといえます。まず、日本は地震が多いです。日本に住んでいれば一生のうちに何度も地震を経験するため、多少の揺れでは驚かなくなるほどです。

 

ただ、大きい揺れがきた場合、古い建物で酒造りを行っている蔵は倒壊しやすいです。実際、かつて新潟県で地震が起こった際、被災した酒蔵では、造る酒の味が大きく変わってしまったといいます。

 

他にも、日本では夏になると毎年のように台風がおとずれます。建物自体が老朽化しているため、強風によって破損してしまうことはよくあります。一部だけが壊れるのであればいいですが、建物ごと倒れた場合はやはり日本酒の味が変わります。

 

日本酒では「造る人が重要」といわれていますが、どの建物で造っているのかも重要です。昔から住み着いている微生物の力を借りて酒造りを行う日本酒では、使用する原料や人以外にも、多くの要因に左右されるのです。

 

もし日本酒について深く知りたいのであれば、造っている蔵にも着目してください。100年以上前からある建物での酒造りにこだわっている蔵はたくさんあります。

 

古い建物で行う酒造りでは、最新鋭の機械が整った建物では絶対に出せない味を生み出すことができます。それだけ、日本酒造りは奥が深いといえます。


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