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にごり酒の造り方・飲み方・楽しみ方

 

日本酒といえば、透明である場合が多いです。ただ、透き通っているだけでなく、にごった酒も存在します。これを、にごり酒といいます。いわゆる、白く濁った日本酒がにごり酒であると考えてください。

 

意図的に白く濁らせることにより、にごり酒は見た目でも楽しませてくれます。

 

 日本酒はもともと濁っている
米、水、麹(こうじ:デンプンを糖に変換するために微生物を繁殖させたもの)を原料にして日本酒が造られます。さらに、日本酒では酵母が必要です。酵母が糖をアルコールへと変換するのです。そこで、酵母を大量に増やしたものを酒母といいます。

 

酒母に米、水、麹を加えると、発酵して日本酒へと変換されていきます。こうして出来上がったものを醪(もろみ)といいます。醪を搾ることで、原酒が出てきます。醪を搾ったばかりのお酒を「あらばしり」や「しぼりたて」と呼び、現在ではこのようなお酒も販売されています。

 

このとき、最初の日本酒は白く濁っています。

 

搾りたての日本酒を置いておくと、2つの層に分かれます。上の部分には、透明度の高い澄んだ部分になります。これを、清酒といいます。

 

一方では、下層に白い沈殿物が現れます。これを、滓(おり)といいます。不溶性のタンパク質や酵母などが混ざっているため、このような白い沈殿を生じるのです。

 

この白い沈殿には、多くの栄養が含まれています。さらに、そこに酵母や酵素が含まれていることから分かる通り、放置しておくと酒質が変わってしまいます。つまり、腐敗が起こるということです。これを防ぐため、滓を素早く取り除きます。これを、滓引きといいます。

 

その後、通常は活性炭素を用いてろ過します。これにより、さらに滓を取り除くことで透明な酒にします。ここまで行うことで、酒の品質を落とさずに長期間保管することができるのです。

 

 にごり酒は大まかにろ過をする
このように、「滓引き」や「活性炭素によるろ過」などによって不要な成分を厳密に取り除きます。ただ、にごり酒の場合は不要な成分を厳密に取り除くのではなく、大まかに取り除きます。

 

搾りたての日本酒は白く濁っていることを既に述べましたが、このときの酒を目の粗い布などでろ過します。そうすると、本来は取り除かれる滓が残るようになります。白い成分が日本酒の中で浮遊するようになるため、濁っているように見えるのです。

 

こうして造られたにごり酒は、その後に「火入れ(加熱による殺菌)を行うかどうか」によって風合いが異なってきます。

 

火入れを行わない場合、その中に酵母や酵素などが残ることになります。すると、発酵時の炭酸まで含まれるようになります。そのため、飲んだときに口の中ではじける微炭酸の日本酒を味わうことができます。このようなお酒を活性にごり酒といいます。

 

ただ、酵素などが残っていることから、冷蔵庫の中で保存しないとすぐに品質が変わってしまいます。そのため、保存には気を付けなければいけません。

 

一方、火入れを行ったものは単ににごり酒といわれます。炭酸は入っていないものの、殺菌を行っているので保存は楽になります。

 

これらにごり酒は、冷やしても常温でも楽しむことができます。2層に分かれるため、澄んだ上層部と濁った下層によって異なる味わいを楽しんでも良いです。この場合は、ゆっくり注ぐ必要があります。

 

また、その柔らかな見た目から、炭酸水で割ったり柑橘類を入れてカクテル風にして飲んだりしている人もいます。アイディアの数だけ、にごり酒には飲み方・楽しみ方が存在します。


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