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日本酒の熟成古酒(長期熟成酒)への挑戦

 

日本酒造りでは、酒造年度と呼ばれる特殊な区切りが存在します。酒造年度によると、7月1日から新たな一年が始まり、6月30日で一年が終わります。

 

酒を造った後、新たな酒造年度が始まるまでに出荷される日本酒を「新酒」といいます。一方、新しい酒造年度を過ぎた後に出荷される場合、「古酒」と考えられます。

 

この古酒に対する取り組みは新しく、現在でも試行錯誤の段階です。

 

 熟成古酒(長期熟成酒)とは
新酒として出荷する場合であっても、多くの日本酒は造った直後に出荷することはほとんどありません。通常、醪(もろみ)を搾って日本酒を取り出した後は、熟成させるために数か月間寝かせます。

 

この間に酒を熟成させます。熟成期間を経ることにより、日本酒の味がまろやかになるのです。

 

どこで熟成させるかは酒蔵によって異なります。洞窟の中のひんやりした環境で熟成させることがあれば、地下の部屋に置くこともあります。海中で熟成させることもあるくらいです。もちろん、通常はタンクの中に入れて保存・熟成させます。

 

こうして、日本酒の味が深まります。新酒であっても、ある程度の熟成は必要なのです。

 

ただ、酒造年度の関係から、造って2年経過するとどのようなお酒でも古酒になります。古酒では、香りが高くて味が濃いという特有の酒になります。

 

元は透明なお酒であったとしても、熟成させると色調にも変化が表れます。このときは淡黄色のものがあれば、褐色をしたものまで、熟成期間に応じて古酒の色は変わります。これは、酒の成分が酸化・分解されることによって起こります。

 

なお、古酒の製造に関わるメーカーが集まった「長期熟成酒研究会」によると、「3年以上、蔵元で熟成させた酒」を熟成古酒(長期熟成酒)と呼ぶことにしています。古酒では、新酒にはない香りや濃厚さを感じ取ることができます。

 

 古酒は保存に注意する
酒は熟成させればいいわけではありません。その保存に気を付ける必要があります。中には、熟成しているのか劣化しているのかよく分からない場合もあります。保存が適切でなければ、単に酒質が悪くなって劣化していると考えなければいけません。

 

まず、日本酒は紫外線に弱いです。そのため、直射日光が当たる場所に置いてはいけません。

 

さらに、急激な温度変化にも敏感です。そのため、家で保存する場合であっても、ある程度は温度が一定した場所に保管しておくことが望ましいです。

 

必ずしも低温で保存する必要はありませんが、それなりの注意点をおさえておけば、誰でも古酒を楽しむことができます。

 

さらに、冷蔵庫の中で熟成させた古酒と常温で熟成させた古酒では、原料が同じであっても味や香りがまったく異なります。つまり、熟成させる場所や保管する人が変われば、その味わいも変わってくるということです。

 

このように、適切に酒を寝かせることは、あらたな発見に繋がります。ただし、前述の通り「熟成と劣化との区別」はつけなければいけません。一度でもフタを開けてしまったのであれば、本来は早目に飲むのが望ましいです。

 

なお、第二次世界大戦のときの食糧難により、製造に時間のかかる古酒は日本で製造されずに廃れていきました。そのため、日本酒の古酒については、まだ試行錯誤の段階です。

 

現在では、古酒に挑戦するメーカーが数多く表れています。ワインやウイスキーが熟成されて飲まれているのと同じように、今後は熟成古酒(長期熟成酒)も日本酒で重要となります。


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