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日本酒造りに必要な米:酒造好適米

 

米には、日本酒造りに適したお米が存在します。これを、酒造好適米といいます。

 

食べるために育てられる米と酒造好適米は大きく性質が異なっています。そのため、食べておいしいお米だからといって、酒に適しているわけではありません。

 

そこで、どのような違いがあるのかについて、ここで確認していきます。

 

 米を削って日本酒を造る
米の外側には、タンパク質やミネラル(カリウム、リン酸)、脂質などがたくさん含まれています。これらが多いほど、米を食べたときの味はおいしく感じます。栄養も高いため、食べるために稲を育てる場合はこれらの要素が重要です。

 

一方、食べるときに重要なこれらの成分は、日本酒を造るとなると余分な成分になります。これらが含まれていると、雑味が混じって良い日本酒ができないのです。

 

例えば、タンパク質はアミノ酸の元であるため、これが多く含まれると味が濃厚になりすぎてしまいます。また、ミネラルがたくさん含まれると、酵母による発酵が上手く進みません。そこで、実際に日本酒を造るときは米の外側を削ります。これを、精米(せいまい)といいます。

 

食べるための米にするとき、精米歩合は90%程度です。つまり、米の外側を10%削ります。

 

一方、日本酒を造るときは精米歩合を70%や60%などで行います。つまり、それだけ削ることで外側にある余分な部分を取り除くのです。

 

大吟醸酒などと呼ばれる日本酒になると、精米歩合は50%以下になります。つまり、米の半分以上を削らなければいけません。それだけ精製するため、酒の値段も上がります。

心白

 

また、米にはその中心に「心白」と呼ばれる白丸の部分が存在します。この心白が大きいほど、酒造りに適しています。食べるために育成される米に比べて、酒造好適米は粒が大きくて柔らかく、心白が大きいという特徴があります。

 

なお、酒造りに適した米としては、山田錦や五百万石などが有名です。これらの米から作られた酒から、多くの名酒が誕生しています。

 

 米を指定した日本酒の買い方は意味がない
ワインであれば、ブドウの品種や熟成期間などが重要視されます。これにつられてしまうのか、日本酒でも米の品種で酒を選ぶ人がいます。しかし、これはあまり意味がありません。

 

まず、ワインと違って日本酒では製造工程が複雑です。そのため、原料がすぐに味に直結するわけではありません。まったく同じ米を使ったとしても、作るときの条件や酵母の種類などによって、味が大きく異なります。

 

そのため、日本酒では「使っている米の種類」は一般的にそこまで重要視されません。それよりも、どのような人がどういう想いで造っているかが評価されます。造り手の姿勢がお酒の味に直接表れるからです。

 

日本酒を買い求めるとき、あまり米の品種にはこだわらない方がいいです。複雑な製造工程であるからこそ、「造っている人」が重要になるのです。

 

人によって好みが異なるため、どのような酒が好きか(甘味のある酒か辛口の酒かなど)を考慮して選んだ方が賢明です。

 

また、日本酒は温度によっても味が変わります。そこで、どのような飲み方を試すのかを考え始めると、楽しみが増えます。米のブランドにこだわらない方が、日本酒を深く味わうことができます。


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