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地域によって異なる日本酒の味:都道府県による甘口・辛口の違い

 

地域ごとに方言があるのと同じように、日本でも地域が異なれば日本酒の特性が異なります。もっと言えば、味わいや相性の良い料理が違うのです。

 

これは、日本でも住む地域によって気候が大きく異なるからです。「甘口・辛口」や「濃い・淡麗」などには、地域性があります。

 

 県別の甘口・辛口
日本酒については、酒の甘い辛いは日本酒度酸度によって分けることができます。日本酒度とは、その中に含まれている糖分の指標です。糖分が多く含まれると、その分だけ酒は甘くなります。一方、糖分が少ないと辛く感じます。

 

ただ、辛さの指標は糖分だけではなく、酸度も関係しています。オレンジに含まれる酸が少ないと甘く感じるのと同じように、酸が少なければ甘い酒になります。一方、たくさんの酸が含まれる場合、酒を飲んだときに辛く感じます。そこで、日本酒度と酸度から日本酒の甘い辛いを分類するのです。

 

これについては、日本の国税庁が市販されている酒を調査して発表しています。このときの結果としては、以下のようになっています。

 

 一般酒の各県甘辛度(2010年)

 

 ※一般酒の各県甘辛度(2010年):鹿児島県と沖縄県は含まない

 

酒造りが盛んな地域の中でも、瀬戸内沿岸にある県(岡山県、広島県など)は甘口の傾向があります。一方、新潟県や高知県などは辛口の傾向があります。

 

新潟県と高知県を比べたとき、地理的な共通点はありません。新潟県は雪の激しい豪雪地帯であるものの、高知県ではあまり雪は降りません。

 

ただ、その地域で食べられる料理をみると、新潟県などの海ではエビや白身魚が食べられます。それに対して、高知県のある太平洋側ではマグロやカツオなどが刺身で食べられます。こうしたことを考えると、どちらも辛口のお酒が適していたのだと考えられます。

 

このように、気候だけでなく「その土地でどのような料理がメインであるか」によっても、日本酒の地域性が生まれます。これは、日本酒に料理の味を引き出す働きがあるからです。

 

 地元に親しまれているお酒ほど地域性が強い
一般的に、西日本のお酒は味が濃くてしっかりしているといわれています。これらの地域で取れる酒造好適米(お酒造りに適した米)に山田錦や雄町などがあり、いずれも西日本が発祥です。この米を使うことにより、深みのある酒になります。

 

それに対して、東北や北陸などの雪が降る寒い地域では、淡麗ですっきりしたお酒になりやすいです。

 

ただし、これらはあくまでも一般論です。必ずしもこの条件に当てはまるとは限りません。実際、現在では地域に根付いた米以外を使うことは頻繁にあります。また、空調設備によって酒造りの環境も均一になっています。

 

こうした理由から、昔ほどの地域性はありません。特に、日本全国に向けて出荷される高級酒では、地域性は希薄です。

 

ただ、地元に親しまれているお酒であれば、現在でも地域性が残っています。また、その地方の米や酵母、水を用いることにこだわりをもっている酒蔵もあります。

 

日本酒の地域性は参考程度でしかありませんが、それでもザックリとした特徴があることは確かです。地域ごとの気候や食事内容が異なることから、酒にも特徴が表れるのです。


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