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漆器に使われる材料を知る

 

漆の木から採取した樹液を精製したものが漆です。そのため、漆だけで作品になることはありません。木や布などに対して漆を塗ることで、ようやく作品へと仕上がります。

 

このとき、漆を塗る対象にはさまざまな材料があります。ここでは、どのような材料に対して漆が使われるのかについて学んでいきます。このときは使う材料によって、呼び方が変わります。

 

 塗る対象が違えば、名称も異なる

木胎

 ・木胎(もくたい)
漆器といえば、木を使ったものが主です。日本は日用品から住宅まで含めて、木を使った製品が多いことからもこの理由を推測できます。

 

木材を活用した漆器では、軽くて丈夫な作品に仕上がります。そのため、使い勝手が良いという特徴があります。また、木は削ることができるため、加工しやすいという性質もあります。自分の思い通りの作品に仕上げやすいため、漆器の素材として重宝されています。

 

さらに、漆は塗った対象を強固にして艶を出すため、高級船舶や建築物の扉などに漆を用いることがあります。高級感を出しながら、長持ちさせることが可能になるのです。

 

このような、木に漆を塗ったものを木胎(もくたい)といいます。ヒノキやケヤキ、桜など、用途に応じた木が選択されます。

 

 ・籃胎(らんたい)

籃胎漆器

木を用いたものは扱いやすいという利点があるものの、木は水分が抜けると縮んでしまいます。このときの変化は、温度や湿度によって異なります。

 

そこで、木材のように伸び縮みがなく、軽い素材として竹があります。日本には竹も多く生えているため、これに漆を塗って作品へと仕上げるのです。竹を活用した作品を籃胎(らんたい)といいます。

 

竹は軽くてしなやかであるため、全体的に印象が柔らかい作品へと仕上がります。主に、漆の籠(かご)を作る際に竹を用いることが多いです。竹をいくつも編みこんだ後、そこに漆を塗ることでさらに強固な作品にするのです。

 

 ・乾漆(かんしつ)
布を用いた漆も知られています。布に対して漆を何層にも塗り重ねることで、形を作っていきます。これを、乾漆(かんしつ)といいます。

 

乾漆(かんしつ)を行うときは、まず石膏などを用いて型を作る必要があります。その型に対して漆を塗ったり、布を張り合わせていったりします。こうした作業を続け、最後に石膏の型を外せば乾漆の漆器ができあがります。布を使うため、形に大きな変化をつけることができます。

 

これらの素材の他にも、動物の皮に対して漆を塗る「漆皮(しっぴ)」、紙が材料となる「紙胎(したい)」、焼き物に漆を使った「陶胎(とうたい)」、金属に漆を塗り重ねる「金胎(きんたい)」などがあります。

 

動物の皮は漆との相性が良く、軽くて丈夫な作品になります。素材に液体が浸み込んでいくため、漆によってより強固になりやすいのです。

 

さらには、木の皮や合成樹脂を活用したものがあります。桜の皮を利用したり、人工的に作った樹脂を使ったりするのです。ガラスに漆を塗った現代風の作品もあり、あらゆるものに対して漆が活用されています。

 

なお、籃胎や乾漆、紙胎などは2000年以上も前の作品が多く残されています。それだけ古くから、漆芸が盛んだったのです。


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