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天然漆による白塗りの漆器:合成塗料の活用

 

漆器を塗るときは、漆を何度も塗り重ねる必要があります。ただ、中には漆を使わずに合成塗料を用いる場合もあります。

 

「本物ではない」という理由で、合成塗料を否定してはいけません。合成塗料による漆器も、使い方によっては活きてきます。

 

 白塗りの漆器から学ぶ塗料
漆器といえば、黒色や朱色の作品が主です。しかし、漆には他にも色が存在します。黄色や青色、緑色などの漆もあるのです。元々、漆は半透明の褐色です。ここに顔料(色の付いた鉱物など)を加えることにより、目的とする色の漆を作成していきます。

 

ただ、天然の漆ではどうしても作れない色があります。それは、白色です。白色というのは、少しでも他の色が混ざってしまうと、白色を表現できなくなります。

 

そして前述の通り、漆の元の色には褐色が入っています。そのため、ここにどれだけ白色の顔料を加えたとしても、真っ白な色を作成することはできません。天然の漆を用いて白色の漆を作ろうとすると、必ずクリーム色になるのです。そのため、白漆といっても完全な白色にはなりません。

 

ただ、それでは表現の幅に限界がでてしまいます。そこで、合成塗料を用いて白色を表現しようと考えました。合成塗料はどのような色でも表すことができます。そのため、天然の漆では表現できない真っ白の漆器を作成することが可能です。

 

 漆と合成塗料の違い
漆は何度も塗り重ねることで仕上げます。そのために手間暇がかかり、値段も高くなります。ただ、その分だけ使い込むうちに風合いが出るようになります。

 

ただ、天然の漆を使っていると、次第に色が変化してしまうことがあります。例えば、黒色の漆器がグレーになることがあります。これが特有の深みを出すものの、変色を好まない人がいることも事実です。漆は顔料を入れることで色を出しているため、条件によっては色が抜けていくのです。

 

その点、合成塗料では変色することがありません。同じ色をずっと保ち続けます。また、漆のように何度も塗り重ねるなどの手間を省け、大量生産もできて値段を抑えることができます。

 

さらに、天然の漆を使うと紫外線や熱に気を付ける必要があります。ただ、合成塗料ではこれらに注意する必要がありません。そのため、電子レンジなどに入れて温めても問題ないケースは多いです。扱いやすいさという点においては、合成塗料の方が優れています。

 

このように、合成塗料には「漆に出せない色を表現できる」「値段を抑えることができる」「扱いやすい」などのメリットがあります。さらには、「滑り止め機能を付ける」など、付加価値を加えることもできます。天然の漆も良いですが、合成塗料にしかできない漆器もあるのです。

 

なお、合成塗料を塗るときは、スプレーを用います。勢いよく塗料を吐き出すスプレーを使い、作品に色を付けていきます。


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