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輪島塗・山中漆器の特徴と歴史

 

日本で最も有名な漆器として、輪島塗があります。漆器について詳しくない人であっても、日本人であれば「輪島塗」という言葉を知っている人が大半です。

 

輪島塗は石川県輪島市で作られる漆器です。石川県は漆器の生産地として有名であり、輪島塗の他にも山中漆器が知られています。

 

 輪島塗の重箱  輪島塗の重箱

 

 輪島塗とは何か
石川県輪島市では古くから漆器の生産が行われており、現存する最も古い輪島塗としては石川県輪島市にある重蔵神社(じゅうぞうじんじゃ)が知られています。この神社には、1397年に朱色の漆を用いて塗られた扉が存在します。

 

輪島塗を支えているのは、その土地で取れる土にあります。輪島市には「地の粉山(じのこやま)」という、漆器造りに適した土が取れる山があるのです。

 

漆器を作るとき、下地という過程が必要になります。下地を施すことで、固くて丈夫な漆器になります。下地をした上で漆を塗り重ねていくため、下地は「漆を塗るための土台作り」と考えてください。

 

下地には、地の粉(じのこ)と呼ばれる粉と漆を混ぜたものを使用します。このときの地の粉について、先ほどの「地の粉山から取れる土」を活用するのです。このように、輪島市に存在する地の粉山から取れる土を「輪島地の粉」といいます。

 

輪島地の粉は下地用の土として、かなり良質であることが知られています。これにより、他の産地では作れない頑丈な漆器の生産が可能になりました。

 

特別な土の使用によって丈夫さに定評のある輪島塗ですが、優美さでも有名です。

 

漆器では、漆を塗り重ねた後に装飾を施すことがあります。特に輪島塗では、漆器を彫った部分に金を沈める「沈金(ちんきん)」や金粉や銀粉を用いて絵を表現する「蒔絵(まきえ)」が有名です。強固というだけでなく、装飾による美しさも輪島塗の特徴です。

 

これら輪島塗による技術が確立したのは、江戸時代(1603~1868年)だといわれています。このときに、沈金や蒔絵の技法が確固たるものになったのです。

 

 山中漆器とは何か
石川県は漆器生産が盛んな県であり、3つの漆器産地があります。1つは先に挙げた輪島塗であり、もう1つが山中漆器です。ちなみに、最後の1つに金沢漆器があります。

 

漆器を作るときは、いくつかの工程に分けられます。まず、漆を塗るための素材として、木を削らなければいけません。このときに作られるものを木地(きじ)と呼び、ロクロを用いて木を削ることで仕上げていきます。山中漆器では、この木地の生産が質・量の両方とも優れています。

 

輪島塗では、輪島地の粉を用いた「漆を塗る過程」に特徴がありました。一方、山中漆器では漆を塗る前の「木を削る過程」に他の漆器にはない特徴があったのです。

 

このように、漆を塗る前の素材である「木地」を作る職人を木地師(きじし)といいます。山中漆器では木地師が重要無形文化財の保持者(人間国宝)に指定されたことがあるほど、その技術が優れています。

 

さらに、伝統的な木の素材だけでなく、合成樹脂(プラスチック)を用いた人工的な素材による漆器作りにも早くから取り組んでいます。その成果もあり、日本有数の漆器生産量をほこっています。

 

なお、山中漆器の職人たちによって作られた木地の質が高いため、輪島塗など他の産地に木地を提供することがあります。木地で有名な山中漆器の職人が木を削り、塗りに優れた輪島塗の職人が仕上げることで、より優れた漆器が完成されます。


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