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東洋で育つ「漆の木」の性質

 

漆を用いた工芸品は日本の伝統文化の一つです。漆器は漆を塗ることで作られますが、このときの漆の元となる樹液は「漆の木」から取ります。

 

それでは、漆の木はどのような性質をもっているのでしょうか。漆を知るためには、漆の木を学ぶことから始めなければいけません。漆が特殊な性質をもっているのと同じように、漆の木もまた変わった性質があります。

 

 漆の木の栽培
漆科植物に属する落葉樹が漆の木です。落葉樹であるため、冬になると葉を落とし、春になると再び芽を出します。漆の木は東洋でみられる木です。

 

漆の木と同じ種類の樹木は、日本にたくさんあります。秋になると紅葉するため、その美しい姿を見に山へ出かける人は多いです。

 

自然に生えている漆の木ですが、漆器を作るために漆が活用されるようになると、その需要は増大します。そのため、野生に存在する漆の木だけでは、漆が足りなくなります。

 

そこで、漆の木を人工的に栽培するようになりました。日本では何千年も前から漆を活用しているため、日本で取れる漆は、そのほとんどが栽培によるものです。

 

それどころか、漆はかつての日本では税金の一つでした。また、漆をできるだけ多く採取するために、有力な領主たちによって漆の木の栽培方法が研究されていたほどです。それだけ、日本では漆の木を栽培することが重要だったのです。

 

 国で異なる漆の木の性質
漆の木は国によってその性質が異なります。例えば、同じ東アジアでも、タイと日本での漆の木は違います。

 

タイで育つ漆の木は大きく、その樹液から取れる漆は黒色のゴム質です。一方、日本で取れる漆は黒色ではなく、灰褐色です。これに鉄分などを加えて黒色にするのが日本産の漆です。樹液だけでなく、花の形なども日本とは違っています。

 

これは、気候風土が異なるからです。そのため、日本にある漆の木をタイに植えたとしてもうまく育ちません。次第に成長が悪くなり、自然に消えていきます。

 

漆科植物は何十種類も存在します。これらの事実から、日本に生えている漆の木と他の国にある漆の木は別物であると考えることができます。

 

日本と同じ気候である場所としては、中国の黄河や揚子江の沿岸が知られています。これらの地域で取れる漆は、日本で育っている漆の木と性質がほぼ同じです。現在では、日本で使用される漆のほとんどは中国など外国からの輸入に頼っています。

 

 漆の木を増やすには
漆の木では、根が下の方へ垂直には伸びません。根は地中の浅い部分で横に伸びていきます。そのため、漆の木が生えている場所を少し掘ると根が出てきます。この根を適当な長さに切って土の中に埋めると、そこから新たに芽が出てきます。この方法によって漆の木を増やすことを「根分け法」といいます。

 

漆の木を根元から伐採すると、翌年の春には切り取った根から芽が出てきます。これと同じように、根をいくつかに分けて植えることで漆の木を増やすのです。

 

また、種子から育てる方法も存在します。漆の木にはオスとメスがあります。雌木の方が表面は滑らかであり、樹液の採取に都合が良いです。

 

ただ、雌木ばかり植えていれば、種子が育つことはありません。雄木も適度に植えることにより、ようやく種子から漆の木が育つようになります。根分け法に比べて、この方法によって育てる漆の木は時間がかかります。ただ、木の寿命は長くなるといわれています。


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