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漆絵による漆器の装飾:漆絵と密陀絵の違い

 

漆器といえば、朱色や黒色などで統一された作品がほとんどです。ただ、さらに装飾を施すことで美しく見せる場合もあります。

 

装飾の中でも、金粉や銀粉を用いる「蒔絵(まきえ)」や虹色の貝を使う「螺鈿(らでん)」などは有名です。ただ、これらの装飾に比べるときらびやかではないものの、色鮮やかな彩色によって魅了する装飾法として漆絵(うるしえ)があります。漆絵は最も古くからある装飾法でもあります。

 

 漆絵による漆器 漆器

 

 漆絵(うるしえ)の技法
漆は、黒色や朱色の他にも、黄色や青色など色の種類が多彩です。顔料(色の付いた物質)と漆を混ぜることで色漆を作り出すため、それに併せて目的とする色を用意するのです。

 

絵具とは異なり、漆はその都度調節しなければいけません。漆を単独で保存する場合は何百年も放置して問題ありませんが、漆に色をつけて長時間放置すると質が悪くなってしまいます。そのため、絵の具のように、既に漆に色を付けた状態では入手できません。

 

また、漆には特有の乾燥方法があり、すぐに乾かすことができません。色彩豊かな色漆を作成するためには、何度も分けて塗らなければいけません。

 

これら色漆を活用して絵を描いた後は透明な漆を塗り、磨き上げることで仕上げていきます。

 

このような漆絵ですが、やはり金粉などを用いた「蒔絵」や虹色に輝く「螺鈿」などに比べると、どうしても地味に見えてしまいます。そのため、上流階級の貴族たちに特別喜ばれる芸術品にはなりにくかったのです。

 

その代わり、庶民の間では豪華な蒔絵や螺鈿よりも、漆絵の方が親しまれていました。決して豪華ではないからこそ、食器などとして活躍するようになったのです。ただ、それでも漆絵による名品は存在します。美しい絵画が人を魅了するのと同じように、色彩豊かな漆絵も見ごたえがあるものです。

 

なお、漆絵に加えて、蒔絵や螺鈿などの技法を組み合わせた作品は数多く存在します。いくつかの装飾を施すことで、より豊かに表現していくのです。

 

 漆絵と密陀絵(みつだえ)の違い
漆を使って絵を描くのに対して、油と顔料を混ぜて漆器に絵を描いたものを密陀絵(みつだえ)といいます。漆絵と密陀絵には、いくつかの違いがあります。

 

まず、色漆では白色を作ることができません。天然の漆は褐色があるため、真っ白の顔料を混ぜてもクリーム色になるのです。そのため、天然漆による白漆では真っ白を表現できません。そこで、漆ではなくて油を用いた密陀絵が登場します。密陀絵では、白色を表現することができます。

 

このように漆絵と密陀絵では、材料が漆か油かという違いがあります。また、白色を表現できるかどうかという違いもあります。漆絵と密陀絵は似ているようで若干異なります。


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