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漆塗りの基本:漆の塗り方・下地(本堅地)を学ぶ

 

漆器

漆には塗り方があります。素材に対して漆を直接塗ることがあれば、最初に下地を作る場合もあります。これは、作品よって異なります。

 

そこで、ここでは漆を塗るときの手法についての基礎を学んでいきます。使用する素材や仕上げるときの作風によって、漆の使い方は変化します。

 

 漆を直接塗る
漆を塗る対象としては、木や布、皮などがあります。このとき、漆を塗る前に下地(したじ)と呼ばれる工程を行うかどうかによって2つに分かれます。

 

下地を行うと、作品はカチカチに堅くなります。これは、下地が乾くことで固くなるからです。木に対して漆を塗る場合であれば、下地を行います。木は軽くで丈夫な素材ですが、ここに下地を塗ることでさらに強固な作品にするのです。

 

一方、皮の場合は漆とよく馴染むため、下地を行わないケースがあります。下地をせずに作り上げるため、弾力性があります。

 

同じように、布や紙に対して漆を塗る場合であっても、下地を行わずに塗れば弾力が残ります。ただ、下地を施すと作品が堅くなるため、弾力性は失われます。

 

 漆塗りで下地を行う
漆を何回も塗り重ねることで漆器を仕上げることを知っている人であっても、下地を施していることまで知っている人は少ないです。下地は目に見えない部分ですが、漆を塗ったときの光沢など、作品の仕上がりに大きく影響します。そのため、下地によって作品の質や値段が違ってきます。

 

木に下地を行う場合であれば、最初に傷などがないかチェックします。傷があれば、補修しておく必要があります。

 

次に、木のデコボコをならすために生漆(きうるし:漆を精製したもの)などを染み込ませます。この作業を「木地固め(きじがため) 」といいます。木地固めにより、下地を施すための土台が作られます。

 

下地では、地の粉(じのこ)と呼ばれる粉と生漆の2つを混ぜます。これを作品に塗って乾燥させた後は、ペーパーなどで研ぐ作業があります。これを繰り返すことにより、強固な作品になります。一般的には、下地の回数が多いほど上質になるといわれています。

 

なお、このような手法による下地の処理を「本堅地(ほんかたじ)」といいます。

 

ただ、中には下地に漆を使わずに仕上げる方法もあります。例えば、漆の代わりに柿渋を使ったものがあります。

 

こうした物は値段を安く抑えることができ、作品の見た目は変わりません。前述の通り、下地は目に見えない部分だからです。ただ、漆を下地に使っている「本堅地」に比べると、どうしても堅さなどを含めて「質」は落ちてしまいます。

 

漆器とはいっても、その品質や値段は大きく異なります。この違いの一つとして、目では確認できない「下地」の部分があります。


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