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螺鈿による漆器の装飾

 

漆器に装飾を施すとき、金粉や銀粉を使った蒔絵(まきえ)は有名です。ただ、これら金銀を使った作品だけでなく、貝を活用することで装飾を施す手法も主に行われています。

 

夜光貝など、虹色に輝く貝が存在します。これら貝を小さく割った後に張り付けて、モザイクのようにしたものを螺鈿(らでん)といいます。

 

 螺鈿による漆器の装飾  螺鈿による漆器の装飾

 

 螺鈿(らでん)の技法
螺鈿では、夜光貝の他にもアワビや蝶貝なども用いられます。まず、貝殻の内側にある、虹色の光沢がある真珠層を切り出します。これを、漆を塗った部分に付着させていきます。

 

螺鈿による手法は、奈良時代(710~794年)に中国から輸入されたといわれています。そこから時代が進むにつれて螺鈿の技術が向上し、蒔絵と並ぶほど漆器の装飾では重要な位置を占めるようになりました。ヨーロッパへ輸出するために、螺鈿の漆器が作られたほどです。

 

このような螺鈿では、主に「埋込み式」「押込み式」「掘込み式」の3つに分けることができます。

 

 ・埋込み式
当然ながら、貝には厚さがあります。そのため、そのまま付けただけでは貝の部分だけ飛び出てしまいます。これを解消するため、漆を何度も塗り重ねます。

 

貝による厚みがなくなるまで漆を塗り、同一平面になるまで埋めたものを「埋込み式」といいます。最後に、これらを磨き上げることでツヤを出します。

 

 ・押込み式
押し当てることにより、貝を埋め込む手法も存在します。このときは、貝の厚みよりも大きくなるように粘土状の漆をあらかじめ塗っておきます。ここに貝を貼り付けることで、一回の作業で完了させます。

 

その後は、漆と貝が同じ平面上になるまで磨きます。こうして作られる螺鈿の方法が「押込み式」です。

 

 ・掘込み式
先に挙げた二種類は、漆を塗ることで平面を貝と一致させる手法です。ただ、漆を塗っておいた作品に対して、あらかじめ貝の形に彫っておき、そこに押し当てることによっても貝を付けることができます。これを、「掘込み式」といいます。

 

貝を付着させた後は、漆を塗って磨き上げます。こうすると、漆と貝が同一平面になります。

 

 螺鈿漆器の作品
漆器という光沢のある作品に、さらに色鮮やかな貝の装飾を施すのが螺鈿です。金粉や銀粉を使った蒔絵(まきえ)は美しいですが、虹色に輝く螺鈿に惹きつけられる人も多いです。

 

螺鈿では主に夜光貝が使用されます。夜光貝は琉球(沖縄県)の近海などで主に取れる貝です。ただ、螺鈿に使用できる大きさの夜光貝は限定され、その価格も高いです。そこで、日本であればどこでも取れるアワビを活用するようになったという歴史があります。

 

それからというもの、さまざまな貝を螺鈿に用いるようになりました。

 

なお、天然の貝では白色を表現するのが困難です。このようなとき、卵を利用します。うずらの卵を細かく砕いて張り付ければ、貝のときと同じように美しい装飾として漆器を引き立てるようになります。

 

世界遺産にも登録されている中尊寺金色堂をみると、蒔絵の他にも螺鈿が多用されていることが分かります。こうした知識をもった上で文化遺産を見ると、さらに楽しめるようになるはずです。


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