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漆器の値段は何で決まるのか:材料・下地・漆の種類(塗料)の違い

 

漆器

漆を使って仕上げた製品を漆器(しっき)といいます。ただ、まったく同じように見える作品であったとしても、漆器は値段が大きく異なります。それでは、この値段の違いは何で決まっているのでしょうか。

 

実は、漆器を仕上げるときに使われている素材や人間の手による手間暇が作品ごとにかなり違います。これが、値段として反映されているのです。

 

 使われる素材による漆器の違い
同じように漆器として売られていたとしても、使われている材料・素材が違うことは多いです。例えば、漆器では木が主に使用されます。ただ、安い漆器であれば、木ではなく合成樹脂を用いたものが使用されています。

 

漆器に使われる素材としては、

 

 ・天然の木を利用した「天然木」
 ・木と合成樹脂を混ぜ合わせた「天然木加工品」
 ・すべて樹脂製(プラスチック)のもの

 

の3つに大きく分かれます。樹脂製であると量産が可能になり、その分だけ値段は安くなります。一方、天然木ではそれだけ材料費も高くなり、一つずつ人の手によって作り上げるので手間がかかります。そのため、天然の素材を活用すると高額になります。

 

見分け方としては、水中に漆器を沈めた後に手を放すと、天然木であれば浮かび上がりますが、合成樹脂の製品は沈んだままになります。

 

 下地に使われている素材を確認する
漆を塗る前には、下地と呼ばれる作業が必要になります。下地を行うことで、漆を塗るための土台が作られます。

 

このときの下地は「漆と粉を混ぜ合わせたもの」が使用されます。ただ、中には漆の代わりに柿渋を使うことがあります。漆を使えばより頑丈な作品になりますが、柿渋の下地ではどうしても固さが弱くなってしまいます。

 

ただ、柿渋を使った方が値段を抑えることができます。しかしながら、修理を行うときに柿渋の下地では修復困難になることがあります。

 

 使われている塗料を見る
漆器というのは、通常であると漆を何度も塗り重ねた作品のことを指します。ただ、合成塗料を用いた作品が多いのは事実です。

 

漆は扱いが難しく、乾かすだけでも専用の棚にしまって一晩寝かせなければいけません。さらに、漆を何度も塗り重ねる必要があるので時間がかかります。これを解決するため、漆と同じような光沢を出すように開発された塗料として合成塗料があります。

 

合成塗料を用いれば、天然の漆では出せない白色を表現することができます。さらに、値段を抑えることも可能になります。

 

漆器とはいっても、必ずしも天然の素材を用いているわけではありません。そもそも、漆を使っていない場合もあります。そのため、日本では100円で売られている漆器があれば、同じサイズでもかなり高額な漆器も存在します。

 

もし「本物」の漆器を手にしたいのであれば、使われている素材や下地、塗料に至るまで注意を向けてみてください。見た目が同じであったとしても値段が違うのは、合成樹脂を用いたり下地に柿渋を使ったりしているからかもしれません。

 

目に見えない部分へのこだわりによって、漆器の値段が違ってきます。鮮やかな装飾だけが漆器の値段を決めるポイントではないのです。


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