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越前漆器・若狭塗の特徴と歴史

 

漆器としては、日本では輪島塗が広く知れ渡っています。ただ、輪島塗だけでなく、日本には他にも多くの漆器が生産されています。例えば、日本の四大漆器産地としては、会津漆器、山中漆器、紀州漆器、そして越前漆器が知られています。

 

この中でも、福井県にある越前の地で発展した漆器が越前漆器です。また、福井県にはもう一つ漆器産地があり、それは福井県小浜市で生産される若狭塗(わかさぬり)です。

 

 越前漆器とは何か
6世紀という古い時代から、越前漆器の歴史が始まります。日本の第26代天皇がまだ皇子だったころ、この地区の職人が皇子の冠を漆によって修復しました。このときの仕上がりに皇子が感動し、漆器の生産を奨励したことが越前漆器の始まりだとされています。

 

日本に存在する漆器産地のうち、最も古いのは越前漆器であるといわれています。

 

越前で漆器作りが発展したのは、その土地の性質も関係しています。この地では、良質な漆を取ることができます。そのため、漆の木に傷をつけることで樹液を採取する「漆掻き」の技術が発達しました。漆の木から取れる樹液が、漆の元になるのです。

 

越前で漆掻きが最も盛んになったときでは、日本にいる漆掻き職人のうち、越前の町が半数を占めていた時期もあったほどです。

 

また、江戸時代(1603~1868年)の末期になると、他の地域で行われている装飾を取り入れるようになります。例えば、金粉を用いて絵を描く「蒔絵(まきえ)」を京都の職人から取り入れます。他にも、漆器を彫った後に金を沈める「沈金(ちんきん)」を輪島から導入します。

 

こうした技術を取り入れることにより、越前漆器は装飾による優美さも発展するようになりました。

 

また、現在では伝統的な漆器作りの工程を省きながらも、堅さを維持する方法の開発が行われるようになりました。さらに、合成樹脂などの使用を行うことで、大量生産に対応するための技術も進歩しています。

 

このような努力により、旅館やレストランなどで使用される外食産業用の漆器のうち、越前漆器が約8割のシェアを得るまでになっています。越前漆器では、かつての伝統技法による高級漆器から、合成樹脂を用いた手ごろな漆器まで幅広くそろっています。

 

 若狭塗(わかさぬり)とは何か
越前漆器と同じように、福井県で発展した漆器として若狭塗(わかさぬり)が知られています。若狭塗では、漆器による箸が有名です。

 

他の漆器に比べて、若狭塗による装飾は豪華に見えます。江戸時代に発展した若狭塗ですが、この時代は質素倹約が重んじられていました。そのため、裕福な商人や武家などが若狭塗の漆器を活用し、庶民はほとんど使っていませんでした。

 

このような理由から、お椀などの生活用具の若狭塗はほとんど見られません。

 

若狭塗では、卵の殻を用いた「卵殻模様」、貝殻を用いた「貝殻模様」、米のもみ殻や松の葉などを用いた「起こし模様」の3つが知られています。いずれも、若狭塗に特徴的な技法です。

 

こうした技法を施すことにより、若狭塗に特徴的な美しい文様を浮かび上がらせます。そのような中で、若狭塗による漆塗りの箸は日本全国でシェア80%以上をほこっています。


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