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沈金による漆器の装飾

 

金粉や銀粉を用いる「蒔絵(まきえ)」や虹色の貝を使った「螺鈿(らでん)」は見た目も美しくて多くの人を魅了します。ただ、漆器には他にも多くの装飾法があります。

 

中でも、金粉を使うことで絵を描く蒔絵とは異なり、あらかじめ漆器の表面を掘っておいた後、そこに金を沈める手法を沈金(ちんきん)といいます。彫刻によって描かれた模様に金が浮かび上がらせるため、蒔絵に劣らず沈金はきらびやかな印象を与えます。

 

 沈金による漆器
 ※沈金によって作成された漆器

 

 沈金(ちんきん)の技法
中国やタイなどのアジアで沈金が発達してきました。ただ、現在では日本で大きな発展を遂げている技法です。

 

沈金では、沈金刀と呼ばれる道具を用いて漆器を彫っていくことから始めます。これにより、漆器に絵を描いていくのです。

 

文様が完成した後は、彫った部分にだけ漆を塗っていきます。ここに金粉や金箔を張り付けた後に表面をふき取ると、彫った絵柄に沿って金が残るようになります。つまり、漆は接着剤の代わりになります。漆と金が強固にくっつくため、彫刻を施した部分だけ金が沈むのです。

 

沈金では、点や線によって模様を描いていきます。同じように金を使ってはいるものの、金粉を蒔きつけることによって模様を出す「蒔絵」と、彫ったときの溝によって絵を浮かび上がらせる「沈金」では、違った印象を感じ取ることができます。

 

豪華に見える作品であっても、「点」と「線」という単純な手法によって独特の表現をしていることに沈金の奥深さがあります。

 

 現在の沈金
沈金は中国で生まれた槍金(そうきん)呼ばれる手法が元になっているといわれています。日本に伝わったのは南北朝時代(1336~1392年)とされており、この頃の作品も現代に受け継がれています。

 

沈金が盛んなのは、石川県輪島市です。日本で最も有名な漆器といえば輪島塗ですが、この輪島市で沈金が行われています。

 

なお、沈金では必ずしも金を用いるとは限りません。銀やプラチナを使うことがあれば、赤や緑などの顔料を用いることもあります。いずれにしても、漆器を彫った後に漆を塗り、そこに色を沈める手法が沈金であるといえます。


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