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備前焼の土づくり:備前土

 

備前焼の土づくり:備前土

備前焼の魅力は、その荒々しい土色にあります。他の陶磁器が色鮮やかに染められているのに対して、備前焼は素材そのままの色だけで勝負します。

 

そのため、備前焼を作るときに使用する土は陶芸家たちにとって重要です。

 

備前焼では、「1. 土  2. 焼け  3. ロクロ」といわれています。これは、備前焼で一番重要な要素は土であることを意味します。土によって作品の品質が異なるため、土づくりは備前焼にとって永遠のテーマです。

 

 土の種類
岡山県備前市伊部の周辺では、備前焼に適した土が大量に取れます。このとき使われる土としては、山からとれる「山土(やまつち)」、田んぼの下からとれる「田土(ひよせ)」が主に使用されます。

 

周囲にある火山が風化し、堆積している土から掘り出したものが山土です。一方、これらの土が雨水によって流れて堆積し、田んぼの下から取れる土が田土です。備前焼では、基本は田土を使い、ここに山土などを混ぜ合わせます。場合によっては、黒土と呼ばれるものを混ぜることもあります。

 

鎌倉時代(1185~1333年)に誕生した備前焼は、室町時代(1336~1573年)の前半までは山土を利用していました。山土は鉄分が少なく、砂利が混じっています。そのため、鎌倉時代に作られた備前焼をみると、陶器の表面に小石が出ているものがあります。有機物が少ないため、山土ではあまり発色しません。

 

それに対して、安土・桃山時代(1573~1603年)から現代にかけて田土がメインで使用されています。黒く粘性の高い田土は、備前焼に最も適しているといわれています。

 

山土と比べて、田土の耐火度は劣ります。ただ、有機物や鉄分を多く含むため、焼いたときに明るい色を出すことができます。備前焼の土色は、この田土によるものなのです。伊部の町から取れる土だからこそ、備前焼に適しています。そのため、他の地域の田んぼから土を取ってきても備前焼は作れません。

 

 土づくり
備前土を作るとき、まず掘り出した土を野原に積んでおき、2~3年外に置きます。風雨にさらすことにより、土の中に入り込んでいる小石や不純物を取り除くのです。

 

次に乾燥させ、土の塊を機械で砕くことで細かくしていきます。ここに水を加えて溶かし、ふるい機にかけて大きい小石や木くずなどを取り除きます。そこから水分を絞りだし、何回もよく練ります。こうして作られた土は、さらに3年程度寝かせます。微生物の働きにより、さらに良質な土にするためです。

 

このように、熟成した粘土を作るためには何年もの時間が必要になります。実際に備前焼を作るとき、粘土の中の空気を抜くために手や足で入念に練ります。焼くときに空気が入っていると、閉じ込められた空気が膨張して割れてしまう原因になるからです。

 

なお、これらの作業の多くは機械化されています。ただ、機械に頼りすぎると、土から必要な成分まで抜けてしまうなどの不都合なことも起こります。それだけ、土づくりは重要なのです。

 

土の性質が異なれば、焼きあがったときの備前焼の質感も変わります。いかに良質な土を作るかが備前焼では重要です。


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ギャラリーしょうざん
備前焼の産地である岡山県伊部で、備前最大のギャラリー。また窯元としての誇りと伝統で、備前焼の展示・販売を行う。

備前焼:ギャラリーしょうざん


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