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備前焼の窯焚き(焼き締め)、窯出し

 

備前焼は土色をした独特の模様が特徴です。その模様は偶然の産物といわれますが、多くは狙って作ります。窯に入れる場所や条件によって、どのような作品になるのかある程度決まっているからです。

 

これらを考慮した上で窯詰めを行った後、今度は炎によって窯焚き(焼き締め)をしていきます。窯焚きにも、備前焼独特の特徴があります。

 

 備前焼の窯焚きを行う
現在活用される窯には、いくつか種類があります。登り窯やガス窯、石油窯などです。その中でも、備前焼は登り窯を使ったものが多いです。

 

 登り窯を 登り窯を

 

登り窯とは、斜面の上にいくつか分かれた部屋が置かれている構造をした窯のことを指します。奥の部屋に行くほど高い位置に部屋があるため、下の方で炎を燃やすと、そのときの熱が効率よく伝わっていきます。

 

一番手前の部屋を「運道(うど)」といい、二番目の部屋を「一番窯」、三番目を「二番窯」と呼びます。そして、最後の部屋は「煙道(けど)」といいます。煙道から流れた煙は、赤茶けた煙突を通って外に排出されます。

 

登り窯では、薪(たきぎ)を使って窯を焚きます。このとき、最初の高温状態(窯の温度を400℃にもってくるまで)にガスを使うか、それとも薪だけで行うかの2種類があります。多くはガスを使うことで、2~3日で400℃まで到達します。

 

ただ、中にはすべて薪で行う人もいます。これは、作品の仕上がりが違うからです。この過程を薪だけで行う場合、ガスで行うときの2~3倍の時間がかかります。

 

しかしながら、ガスを使って温度を上げる方法であったとしても、他の陶器と比べると備前焼の窯焚き時間は長いです。

 

これは、水分を飛ばしながらゆっくりと温度を上げていく必要があるからです。備前焼を焼き上げると、その大きさはかなり小さくなります。窯焚きによって大きく収縮するため、急に温度を上げると作品が割れてしまう恐れがあります。これを防ぐために、徐々に温度を上昇させるのです。

 

最初の段階が終わって、ある程度温度が上がると、今度は昼夜を問わず薪を入れて温度を保たせていきます。昼も夜も関係ないため、このときは交代制で行います。

 

窯によって異なりますが、このときの温度は約1100~1300℃にも達します。窯焚きに使う薪は赤松を使い、一度の窯焚きで数千本から数万本を消費します。

 

割り木を投入し、灰をかけ、そこから高温で焼き上げることで作品に変化を起こしていきます。こうして、備前焼の芸術が生まれます。

 

 備前焼の窯出し
窯焚きが終わった後、その中は高温状態になっています。ここで扉を開けると、外との温度差によって急激に冷えるため、作品が割れてしまいます。これを防ぐため、1週間ほど置くことで少しずつ冷ましていきます。

 

その後、窯を開いて作品を取り出していきます。どのような作品に仕上がっているかは、実際に手に取る瞬間まで分かりません。窯焚きの炎をコントロールできなかった場合、多くの作品が割れていることがあります。もちろん、その場合は作品の見栄えもいま一つであることが多いです。

 

焼きあがった備前焼をみると、灰がかかったり、わらが巻き付いていたりします。割り木や土を大量に被っていることもあります。そこで、作品を取り出した後は丁寧に仕上げる作業を行います。

 

ここでは、やすりや布きれなどを使って磨いていきます。作品同士がくっついている場合は、割れないように切り離す作業も行います。破損がないかもチェックし、傷があって使い物にならない場合はここで割られてしまいます。

 

これらを踏まえて磨かれていくと、備前焼特有の土色が表れてきます。備前焼が産声を上げた瞬間でもあります。


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ギャラリーしょうざん
備前焼の産地である岡山県伊部で、備前最大のギャラリー。また窯元としての誇りと伝統で、備前焼の展示・販売を行う。

備前焼:ギャラリーしょうざん


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