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備前焼の成形

 

良い備前焼を作るためには、「土、焼け、ろくろ」の3つが揃う必要があるといわれています。最も重要なのが土であり、その次が焼けです。そして、形を整えるときに使うろくろが最後にきます。

 

備前焼の作品を作るとき、その多くはろくろを用います。このときの成形方法は、昔から現在まで大きく変わっていません。

 

 輪積み、水挽き成形による成形
備前焼による土の力を最も生かした成形方法として「輪積み」があります。輪積みでは、まずろくろの上に陶器の底となる土台をのせます。その上に、輪っかにしたひも状の土を一段ずつ積み重ねていき、形を整えながら少しずつ高くしていきます。

 

勝手にろくろが回るわけではありません。自らの手でろくろを回しながら作品を作っていく必要があります。

 

こうした技法で作ると、作品の層の厚さが一定になることはありません。必ず、厚い箇所や薄い場所が表れます。この状態で焼くと、作品に微妙な変形が生まれます。これが作品独自の特徴を生み、独特の柔らかさを表現できます。

 

古備前(初期に作られた備前焼)は輪積みによって作られているため、それぞれの良さがにじみ出ています。なお、縄文土器(約1万6000~2300年前に作られた、世界最古の部類に入る日本産の土器)も輪積みによって作られています。

 

これが室町時代(1336~1573年)の後期になると、ろくろを回転させながら作品を形作っていく「水挽き成形」が開発されました。輪積みに取って代わり、この技法がメインで行われています。

 

現在では、電動ろくろ(電気の力で勝手に回るろくろ)を用いて粘土を形づくっていく方法が水挽き成形だと考えてください。手に水をつけ、ろくろを回転させた状態で粘土に触れ、思う通りに変形させていきます。

 

 ろくろを用いない成形
備前焼作りの中でも、ろくろを用いない方法があります。1つは、「手ひねり」です。その名の通り、手で粘土をこねることで形作っていく手法です。最も原始的であるものの、独自の作品を生み出すことができます。

 

他には、「型づくり」があります。型づくりでは、石膏などであらかじめ型を作っておきます。この型に粘土を流し込むことにより、形を作ります。大量生産を行ったり、置物を作ったりするときに型づくりが行われます。

 

また、「タタラづくり」と呼ばれる手法もあります。板状に切った粘土のことをタタラといいます。そこで、このような板状に切った粘土をいくつか繋ぎ合わせることで、成形していきます。なお、一枚の板状の粘土を輪っか状に曲げて円筒の形にすると、「板づくり」といわれます。

 

このように、成形を行うにもさまざまな方法があります。このとき、必ずしも1つだけの方法で作品を作るわけではありません。いくつかの成形法を組み合わせて、備前焼を作り上げることもあります。

 

なお、作風は人によって違います。普通は効率を重視して、電動ロクロによる水挽き成形を行います。ただ、中には「輪積み」にこだわる人がいます。これは、自らこねて作る方が精巧な作品になり、焼きあがったときの土色が良くなるからです。また、輪積みの方が頑丈な備前焼になります。

 

ただ、当然ながら輪積みによって作る方が圧倒的に時間がかかります。人によってこだわりがあるからこそ、陶芸の味にも違いが表れます。


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ギャラリーしょうざん
備前焼の産地である岡山県伊部で、備前最大のギャラリー。また窯元としての誇りと伝統で、備前焼の展示・販売を行う。

備前焼:ギャラリーしょうざん


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