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二級酒を特級酒に変え、ビールの泡をキメ細かくする備前焼

 

二級酒を特級酒に変え、ビールの泡をキメ細かくする備前焼

日本酒や焼酎を備前焼の中に入れておくと、自然においしい酒へと変わります。また、備前焼にビールを注いで飲むと、他のコップに注ぐ場合に比べて味が格段に良くなります。

 

これらはすべて、備前焼特有の特徴です。それでは、なぜ備前焼を使用するとアルコール類がおいしくなるのでしょうか。

 

 備前焼を科学する
食器は料理を盛ったり飲み物を入れたりするだけだと思ってはいないでしょうか。スーパーなどで売られている食器であれば、確かに食事を入れるための器に過ぎません。しかし、備前焼であれば料理を引き立てる働きがあります。

 

特に、備前焼に水を入れて置いておくと格段においしくなります。日本酒を備前焼の中に入れることで、二級酒が特級酒に変わるといいます。これは、焼酎など他の酒でも同じです。

 

岡山理科大学と岡山セラミックスセンターの発表によると、備前焼から高い値の遠赤外線が認められたといいます。これにより、備前焼の中に入れた酒は口当たりがまろやかになります。

 

さらに、釉薬(ゆうやく:陶磁器の表面を覆っているガラス質のもの)を使っていないことが備前焼の最大の特徴です。釉薬がないため、素材そのままの土色を活かしているだけでなく、変な化学物質が水に混じることもありません。それどころか、備前焼の陶器によって水が浄化されるといいます。

 

つまり、備前焼は見た目によって食べ物や飲み物を引き立てるだけではありません。実際にその味をおいしくさせるのです。

 

二級酒を特級酒に変え、ビールの泡をキメ細かくする備前焼

なお、岡山県備前市の伊部(いんべ)地区に足を運ぶと、店によっては備前焼に日本酒や焼酎を入れて販売していることもあります。

 

日本酒などは光に弱いですが、備前焼は光を通しません。また、酒は備前焼の中で熟成されます。そのため、さらにおいしいお酒に変わっているはずです。

 

飲み終わった後の備前焼の容器は、花を生けるための瓶として利用すれば有効に活用できます。

 

 ビールをさらにうまくする備前焼
生活雑貨として昔から使用されている備前焼のコップには、取っ手がありません。いまでこそ備前焼で取っ手のあるコーヒーカップが作られているものの、これは現代風にアレンジしたものです。

 

取っ手がない理由は、備前焼が熱を通しにくいからです。磁器などであれば、薄くて丈夫である代わりにコーヒーなどを注いだときに熱くて持てません。そのため、必ず取っ手が必要です。しかし、備前焼であれば問題なく素手で持つことができます。

 

二級酒を特級酒に変え、ビールの泡をキメ細かくする備前焼

それだけ、熱いものは冷めにくく、冷たいものは温まりにくい性質を有しています。ここにビールを注げば、ビールは冷たいままの状態が保たれます。ガラスのコップのように、グラスが冷えて水滴が垂れるようなこともありません。

 

さらに、釉薬を使用していないため、備前焼の表面はザラザラしています。これが、泡をキメ細かくしてクリーミーなビールに仕上げます。

 

ビールの泡は空気と触れないようにフタをする役割があります。これによって成分の変化を防ぎ、炭酸が抜けるのを阻止します。また、泡は苦味を吸着する作用も知られています。ビールの味は泡にも大きく左右されるのです。備前焼でビールを飲むとおいしくなるのは、前述のようにビールの泡が細かくなるためです。

 

アルコールを飲む場合、ビールやワイン、日本酒、焼酎などを含めて、「どのコップを使って飲むか」まで意識してみてください。それだけで、飲み物の味が大きく変わってくるはずです。

 

備前焼は日常生活の中で使われる食器や雑貨として発展した陶器です。そのため、実生活の中で活用してこそ、備前焼の本当の魅力を発見できるようになります。


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ギャラリーしょうざん
備前焼の産地である岡山県伊部で、備前最大のギャラリー。また窯元としての誇りと伝統で、備前焼の展示・販売を行う。

備前焼:ギャラリーしょうざん


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